かつきよ

ペンギン・ハイウェイのかつきよのレビュー・感想・評価

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)
3.7
よくわからない映画、と言われていたので、雰囲気映画なのかなーと思ったら、思ったより内容がしっかりしていてびっくりしました。

たしかに、よくわからないのですが…
結局なんだったのか明確な答えは出ないのですが、何が描きたかったのかはひしひしと伝わってくる、かなりよく作られた作品だなと思いました。
一言で言ってしまえば、可愛さと美しさを押し出した哲学ファンタジー。哲学映画ですね。
恋愛度は中です。はっきりと恋愛として割り切って描かれていない絶妙な温度感が私は好きでしたが、恋愛ものとしてわかりやすいのが好きな人は注意です。
また、オネショタ系としても個人的にはイマイチでした。オネショタには変わりはないのですが、2人の関係は静かで哲学的で、なんというか、近過ぎないというか…
絶妙な感じなんですよねー。それがよさでもあり、もどかしさでもあり…

森見登美彦作品はアニメで四畳半と有頂天しか見たことがなかったので、独特の口上と京都のイメージが強かったのですが、今作は絵柄も他作品とは全く違っていて、舞台も京都じゃありませんし、打って変わってなかなかに新鮮でした。
しかし、キャラクタの感じとかはあー、言われてみれば森見登美彦作〜って感じです。

アニメーションはとにかく綺麗で、アニメ作品としてだけでも見る価値があります。冒頭に登場するペンギン軍団のシーンがとにかく可愛くて、可愛くて、もう、このペンギンを見るためだけにこの映画見た価値はあったな、と思わせられる可愛さです。しかし中盤から後半にかけてのペンギンの露出は控えめ。予告から感じた雰囲気ほどペンギンだらけという感じではなく、ペンギンの正体もずっとわからないまま、他の問題が出てきてしまったり…テンポはサクサクと言った感じではないですし、人間ドラマがメインのシーンも続きます。ラストでまたペンギンは出てきますが、作風に対して「動」のシーンより「静」のシーンが目立つんですよね。
なので、つまらなくはないのですが、長くは感じます。子供向けだと思ってアニメとして見ると、多分思ったよりも大人向けだなーって思うと思います。ワクワクとかハラハラってよりも、じわじわって感じなんです!

キャラクタはみんな魅力的!主人公のキャラ感もいいです。
あとは、釘宮キャラのヤマモトくんは鬼可愛くて、もう、全てがすごくかわいいのですが、いる意味あったのかな?というようなキャラでした。(原作ではもっと印象が強いようですが)
第二のヒロインです。

おねーさんはもっとオネショタ強めだと思ってたので、思ったよりもキャラが掴めない感じでびっくりしました。印象には残りますが、やはりつかめない雲みたいな印象です。

ハマモトさんの方が、ヒロインとしては映えてたかなぁと思います。

推しはハマモトさんのお父さんです。
中身は竹中直人ですが、とにかくかっこいい〜
かつきよ

かつきよ