結局カレー

コーヒーが冷めないうちにの結局カレーのレビュー・感想・評価

コーヒーが冷めないうちに(2018年製作の映画)
3.4
原作未読。こういう過去の蟠りと向き合い今を生きていく、というテーマの邦画は定期的に作られてるイメージ。(ツナグとか...)そんでタイムスリップ系作品あるある、生まれる子供が「未来」。笑

と、大筋は珍しくないものの「過去に戻ったところで過去は変えられない」という私たちの生きる世界でも絶対的なことが揺るがない設定から完全なファンタジーではなく観客も自分を重ねられる作品になっていたとおもう。どのエピソードも後悔の原因が「言葉足らずに」あったこと、そして最後のエピソードが単純な未来へ前向きになる姿を描いたのではなく、未来への確かな約束を描いたことはダイレクトに伝わるメッセージになってたな。
悔いなく生きるため、今伝えたいことを伝え、未来の自分に期待する。素晴らしい人生の作り方の答えがあるならばその一つはこういうことじゃないのかなーとも思ったり。そしてやっぱり松重さんには泣かされた...。

ただ。少し話題にもなったポスターの「4回泣けます」のコピー。これで観る気になった人もいるんだろうけど、個人的には邦画史上(は言い過ぎ?)最悪なコピーだと思ってる。この見終わった後の心の温まりも映画製作の計算上のもので観客自身の感受性が普遍的なものであることを提示してるような感じ。わざわざ言う必要あるかな?せめて「あなたを涙させる4つの物語」とかの方がまだマシ。あまりにセンスがない。結局自分は何回泣いたか、みたいな感想も出ちゃうし。大袈裟じゃなくこの映画の評価を下げる一文だと思う。