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タイタンのkuuのレビュー・感想・評価

タイタン(2018年製作の映画)
3.0
『タイタン』
原題 The Titan.
製作年 2018年。上映時間 97分。
『アバター』のサム・ワーシントン主演によるNetflix製SFスリラー。
嗚呼、道理で。。。
今作品に出るニュータイプ人類、ホモ・ティタニウスの最終デザインは、『スプライス』(2009年)のクリーチャー、ドレンの外見にも似ているが、これもDNAミキシングの産物かな。
共演にテイラー・シリング、テレビシリーズ、ナタリー・エマニュエル、トム・ウィルキンソン。

どうでも良いことですが、『タイタン』と文字を見ると、頭の中で『炊いたん』と変換されちまう。。。
仕事に雪掻きと疲れた身体には出汁をじっくり染み込んで炊いた煮物旨いんだなぁ。。。

改めて、お話は、近未来の地球。 
人口増加や環境破壊によって近い将来に地球での居住が不可能になることが判明し、人類は土星の衛星タイタンへの移住計画を発案。 
先遣隊として選ばれた16人の男女をタイタンでの過酷な環境に適応させるため、過激な肉体改造実験を開始する。
実験が進むにつれて被験者たちは驚異的な身体能力を身に着けていくが、その一方で激しい副作用に悩まされるように。
やがて被験者のひとりが突然倒れ、そのまま絶命してしまう。

ある生物から別の生物に遺伝子を移すことは、今日ではモノにもよるが無理でないと聞く。
生物を設計できるようになるには、何を移すか、核酸塩基の意味を知らなければならない。
簡単か?
多分。
CRISPR(数十塩基対の短い反復配列を含み、原核生物における一種の獲得免疫系として働く座位)技術によって、あるDNAから別のDNAに遺伝子を移動させ、種間で遺伝子を移動させることが以前よりは容易に、安価に、素早く、効果的にできるようなってきてると思う。
分子生物学の技術によって、人間は生物をデザインすることができるようになり、人間も操作することができる(倫理的な問題は山積みやろけど)。
また、今日のすべての食品は、ある意味で、人間が生命を維持し、繁殖し、多くの人を生かすためにデザインされたモンって過言じゃないかな。
食用コオロギなんかそうかな。
NTT東日本が食用コオロギ飼育参入なんか、先を見据えてのことなんやろなぁ。
開発進む『培養肉』 とかもあるし畜産農家さんはどうなんのやろなぁ。
人口増加は、我々が食べるため、自然、植物、動物を変えてしまったからこそ可能。
人間のDNAは、それ自体を変化させ、デザインすることが不可能ではなく、そうすることが将来的に普通になっていくことは容易に想像がつきます。
老化を防ぐサプリメントは実際あるんやし、もっと突っ込んでDNAすらイジリ始め、対老化、アンチエイジングもそない遠くない話やと思います。
まぁ、神の領域に手を出したら、しっぺ返しはかなりキツそうやけど。
多くのことが可能やろけど(理論に反して技術は追い付いてない気はするが)、必ずしも良いことや望ましいことではなく、未来は非常に異なるものになるはず。
また、10年後、20年後に現実化されるって云っても、進まないモノや、逆にアッちゅう間に現実化すんのがこの分野で、予測が難しいとこ。
んで、現実的な映画や人類を救うスマートな方法を探しているのなら、今作品はチョイちゃうかな。
火星に行く代わりに土星の衛星タイタンに行くことで人類を救うというプロットを無視し、折り合いをつけることができるのであれば今作品は受け入れるかな。
そうすれば、後はそのまま楽しめる。
あり得んやろって、むかっ腹立ててまうコンディション、イライラモードならその日はスルーが宜しいかと。
現実的には、地球がこれ以上人類を維持できなくなった場合、火星は太陽系で人類のコロニーを始めるのに最も適した場所である可能性が高い。 そして、我々はおそらく人類を変えることはせず(少なくとも劇的な変化はしない)、むしろ火星に人類が住めるようにするための技術を使うやろう。
何の技術もなしにタイタンで生存できるように、人類を大きく変えようとするのは良い考えではない。
もし、観る側が上記のようなことを無視できるのであれば、繰り返しになりますが、この映画を楽しむことができるとは思います。
あと、突っ込み、毒づく等で、ストレス発散に嵌まってる人にも向いてるかな。
アクション、ドラマ、SF、アドベンチャー、ファンタジー、スリラーなど、暇つぶしや楽しみを与えてくれる要素がすべてプチっと揃っていて、物語の穴は多々あるが、個人的には突っ込みながら見たし楽しめました。
観てる側が知的であることを前提にしながらも、現実的な問題にはこだわらない映画。
現実的ではないが、見ていて楽しく軽い映画、あり得る未来の技術を使ってクレイジーなことをやるが、それが行き過ぎて、SFとファンタジーと冒険が混ざったような、どんな形であれ現実的ではない映画ではありました。
キャラが立っていて、アクションあり、ドラマあり、SFあり、スリラーあり、愛あり。
演技も悪くなかった。
プロットは多くの類似の映画(一部を除く)よりも矛盾は多いが独創的。
今作品では、人類の未来という古典的な問題を、人間を極端に遺伝子改造することで解決しようとしています。
今作品で行われているように、遺伝子操作で人類を変えることは現実的に可能なんやろけど。
しかし、『スター・ウォーズ』みたいに、SFと冒険がミックスされた作品として見れば、現実的かどうかを問わずに楽しめるし、突っ込んで見ればストレスも発散可能。
この種の映画の限界の中で、オリジナリティのある新鮮な風が吹いてました。

積雪や路面の凍結による交通にはお気をつけ下さい。
また、雪掻きなどウォーミングアップしてからを!
kuu

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