にくそん

騙し絵の牙のにくそんのレビュー・感想・評価

騙し絵の牙(2021年製作の映画)
3.6
出てくる人みんな人気者でよく見る顔なので、そういう座組みでやる映画のくれる安らぎ、親しみを存分に満喫した。薫風社はロケ地が『響 -HIBIKI-』の小論社と一緒(NTT日比谷ビル)。雑誌発売日に売れ行きをウォッチしに行く大型書店もどこで撮ったか、すぐ思い当たった(八重洲ブックセンター)。そういうの、気が散るといえば散るけど私は楽しむほう。ただ、メンツもロケ地もおなじみなので、テレビドラマっぽく見えちゃうところはある。ストーリーも映画でやるには、ちょっと毒やらアクやらコクやらが足りない。

そもそも、原作未読の私が騙してもらえてない。これ、誓って“騙しを見抜く賢い私アピール”じゃなくて、私はとても察しが悪いのに(本当に。みんなが当たり前に見抜くこと、私は後のほうまで分からないこと多い)、私が騙してもらえなかったことにちょっとびっくりした。たぶん、種明かしのときに「あ、そういえばあそこのあれ!」って観客に心当たりが出てこないとフェアじゃないし楽しめないだろうってことで、かなり丁寧めにネタを振った、その加減が丁寧すぎたんだと思う。

松岡茉優さんの、どのシーンにもどこかに必ずオリジナリティを入れてくる根性は好き。寝姿も変だった、腕が伸びてて。國村隼さんはエロじじい演技がガチ気持ち悪くてさすがは演技巧者でいやー気持ち悪かった。
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