にくそん

クイーンズ・オブ・フィールドのにくそんのレビュー・感想・評価

3.6
地元のサッカークラブが試合で乱闘を起こし、選手全員が出場停止処分になったため、チームがリーグに残るために女性たちが代わりに出ることにするというストーリー。自分たちのせいでピンチになったクラブを妻たちが救済してくれようとしているのに、ぶつくさ文句を言う男性陣、というジェンダー差別問題はあれど、描き方が軽妙で、楽に観られる(逆に言えば、ジェンダー問題への切り込みはごく浅い)。

女子チームを指導することになったコーチのマルコ(カド・メラッド)がシブかわいい。ルックスはイケおじなのに、眼科医への恋模様が中学生みたい。この恋模様、ストーリーにまったく絡まない、言ってしまえばムダなシーンなんだけど、かわいいのでオッケーだ。

100分もない短い映画で、マルコやマルコ父に尺を使うので(じいちゃんかっこいい)、正直、女子選手一人ひとりの掘り下げはできてないけれど、女性同士の関わり合いのシーンに、キャットファイトやら陰険ないがみ合いやらを入れてこなかったところが好き。ステファニー(セリーヌ・サレット)がかっこいい、ルックスも役柄も。切れ長の目がケイト・ブランシェットにちょっと似てる。

音楽もすてき。特にエンドロールで流れるぶっきらぼうに威勢のいい曲、ホーン隊がのびのび歌って気持ちいい。odessa上映だったせいもあるかもしれないけど。「阿修羅のごとく」のジェッディン・デデンの曲が好きな人なんかは気に入りそう。
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