トムとジェリーのおなじみの感じをのびのびやってくれてよかった。電線びりびり、高層ビルから地面にひゅーっと落下＆激突。それでどうやって生きてるんだ、とか野暮なこと言ってはいけない。仲良くけんか最高だぜ。
私は『キック・アス』からずっとクロエ・グレース・モレッツのこと好きで、だけど彼女のキャリアはここまでわりといばらの道だなと思って見ていたので、この映画では厚遇されていてうれしくなった。最初は七五三みたいだった敏腕ホテルスタッフ風お衣装も後半はちょっとなじんで見えた。
ただ、人間パートがある分、トムジェリにフォーカスしきれなかったところはある。ならず者（？）な猫どもに囲まれて、「なにお前ら猫とねずみで友達なわけ？」「トムそいつ食っちゃえよ」みたいにけしかけられるシーン、もうちょっと見たかった。あそこをしっかり描いておいてくれたら、結婚式のためにトムジェリが手を組むシーンがもっと熱くなったと思う。
あと、ホテルのシェフはあれどうしたんだ。手先は器用だけどヒステリックでキレると手がつけられなくてっていうキャラクターを、わざわざ黄色人種（演じた俳優さんは韓国系アメリカ人）にしてある。他にもたくさんアジア人が出てくるなかの一人ならともかく、アジア人キャラで目立つのは彼だけというバランスの悪さ。それに、物語終盤までヒロインのケイラを追い出そうとするテレンスの役は、メキシコ系の俳優さんが演じていた。ディズニーだったらこうはしないだろうな絶対。
