かつきよ

ソニック・ザ・ムービーのかつきよのレビュー・感想・評価

ソニック・ザ・ムービー(2020年製作の映画)
2.5
はっきり言って残念な出来でした。
よくて、B級映画な感じです。
ソニックファンとしては残念ですが、別物として、子供たちにソニックを知ってもらう入り口として…でしょうか、かわいい感じを全面に押した映画版ソニックもありなのかなとは思いますが…。かわいい、マスコット担当ソニックって感じでしょうか…。
ソニックチームもあんまり拘ってないようですし、別会社が作成の権利だけもらって作った非公式の派生作品くらいに思えばなんとか…。
そうですね、ソニック関係なしに別物の一本の映画と思えば…かなりコミカルで面白かったかもしれないです…。でも、シリーズファンとしては…ソニックの形してるからもやもやするのかな…🧐

まず、話があまり面白くないです。…いや、ちゃんと面白いのですが、なんというか、当たり障りなく、なんの捻りもないストーリーなので、子供向けというか、ファミリー映画としては安心して楽しめる感じですかね。
温度感としてはアクション多めのギャグ映画という感じ。コミカルなシーンややりとりが多く、家族で見たら子供が喜んで笑ってそうな感じです。
テーマやメッセージ性もありますが、ファミリー映画の範疇で、心に斬り込んでくるような深さはありませんでした。
言うほどつまらなくはないのですが、個人的には話題の映画だったので、これソニックブランド使ってやる意味あるのかな?と思ってしまうストーリーにがっかりしてしまいました。

1番の残念なところはソニックに関する演出ですね。ゲームの映画化と言う事で、どこまで原作設定をもってくるのか、どこまで反映させるのかは難しいとは思います…。
名探偵ピカチュウに関しては、原作ゲーム、漫画、アニメとは全く別次元で、ポケモンをモチーフに新しい世界を作り出していました。
今回のソニックも、ゲームやアニメとは全く別の世界設定で物語を展開していましたが、その設定が、え?という感じです。
明言されているかいないかも曖昧ですが、ソニックは、つまり宇宙人、という設定なんだと思います。なんじゃそりゃ。
彼の能力に関しても、もはや別キャラですし…
出自の設定をオリジナルにするのは、やる意味があったのか?というほど本編にうまく活用されていませんし…
何よりキャラクターがソニックではないです。
ただの子供というか…終始ガキっぽいんですよね。多動症っぽくて、、、ギャグ寄りなのは映画の雰囲気で1億歩譲っていいとして、ソニックってもともともっと青年っぽいというか、お調子者ってぽくもあるけど、それ以上にイかしてる感じが命なのに…クールなのがソニックのいいところなのに。ヘイガーイズ、なソニックはどこへ??
たしかにぽいっちゃぽいんですけど、ソニックのことよく知らない人が想像で勝手に作っていったソニックって感じです。キャラが明らかに違う…
もはやソニックと造形が近似している別生命体で
す。それでいて別にキャラクター的にも好きになれなかったですし
ビジュアルで叩かれてわざわざ作り直してくれたというので話題になりましたが、トレーラーじゃキャラクターの中身までは見えないのが残念な所でしたね。見た目だけじゃなくて、中身も酷かった…
それがわかっていたら、見た目と一緒にソニックのキャラクタに対しても批判が来ていたと思います
あとは、作り直しの影響か、最近のCG映画にしてはソニックのモデリングが微妙に思えました。モデルは気持ち悪いですが作り直し前のバージョンの方が繊細に見えるので、これは完全に作り直しの影響だろうなとは思いますが。
しかも、見るに耐えないというレベルではなくて、むしろかなりちゃんと魅力的に動くので、本当に最近の超大作と比較したら…っていうくらいです。あそこからモデリングしなおしてこのクオリティは正直すごいとは思いますが、モデリングしなおさなかったらもっと作業モチベーションも高かっただろうし、もっとハイクオリティだったのかなと思うとどうしても思うところはあります。

とにかく、この映画を見て、ソニックってこんな感じなんだーとは、思わないで欲しいです。ゲームやアニメの方が面白いですし、なんなら世界設定はそのままで、話だけオリジナルにして映画化した方が絶対面白かったと思います。

エッグマンも、キャラクタの造形の落とし込みはうまいなと思いましたが、中身はもう別物。エッグマンらしさはなく、「エッグマンを全く知らないオカンにビジュアルだけで想像で設定書かせてみた」みたいなサイエンティストキャラに仕上がってます。
ギャグ映画のヴィランとしては魅力的かもしれませんが、エッグマンだと思うとどうしても受け入れられませんでした。なんなんだあいつ。
でも、ドクターのダンスのシーンは良かったです。ジムキャリーすげーなって思いました。エッグマンとかソニックとしてではなく、1シーンとしては見る価値あるなって思いました!

お話についてですが、今回の対立の構図も、そもそもソニックの自業自得というか…。
基本自業自得展開の物語は、全く好みではないので、最初から物語に入り込めず。

ソニックである必要性もない話に、パチモンみたいなソニックが出演しているという感じでとにかく期待外れすぎる。独特のアクションシーンはまあ面白いのですが、なんというか、キャラの能力も曖昧で、チート並みに強いのに、肝心なところで役に立たなかったり、ご都合能力というか、設定の作り込みも浅いし…
ヒロインの活躍も中途半端だし。

いかにも続編やりますよーって感じで最後終わりますが、ちょっとテンションあがっちゃいましたが冷静に考えて、続編怖いなとしか思えないです。
大好きな他のキャラクター達までキャラ崩壊させられたらどうしようって感じです。
最後EDで、原作のドットゲーム風のシーンはよかったですが、そんなんじゃごまかし切れないぞ!って言いたくなるほど原作リスペクトが足りていないなと感じました。

原語版で見ましたが、吹き替えがまず金丸氏ではないところが許せないです。
ソニックといえば金丸氏なのに、金丸氏じゃないソニックなんてソニックじゃない!と思っていましたが、今になってみれば金丸氏じゃなくてよかったなぁと思いました。金丸氏のソニックはあんなのじゃないので…むしろせめてもの救いのような…

とにかく、ソニックシリーズと認めたくない残念映画です。
誰が悪いんだろうって思っちゃいます。監督?脚本?本当に、原作ありきの映画は、原作リスペクトが命なのに…残念に感じました。
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