邦画では見つくした感もある若い人の病気モノ。映画としても正攻法で無難といえば無難。
ただ、特に、嫌な思いはしなかったです。
捻くれた自分でもちゃんと泣けました。
それぞれの親の心情がきちんと描かれていたことが良かったのかも。
富田靖子さん、財前直見さんがさすがの迫力。
若手では最近見かけることの増えた清原果耶さんがやはり良い。
もちろん、偶然の要素が多すぎる、病気なのになんであんなに元気なのか? 病院のセキュリティは? あれはほぼ殺人じゃないか? 等々、観た人すべてが延々と語り合いたくなるであろう、作品の本質から目をそらさせてしまうレベルの突っ込みポイントが、あまりにもたくさんあるのは大手の邦画らしい緩さではある。
あと、一番ラストの大オチはどうなんでしょう…なんか、急にライトSFになったようで、ちょっと安っぽく感じてしまったけれど。一人がすべて持っていて、二人のせっかくの努力の影が薄くなった感じも。
本作は「キセキ -あの日のソビト-」の正統な二代目だが、あの成功に触発されたのかどうか、今後も「雪の華」「小さな恋のうた」と既存曲を原案にした映画が続く。それらが、原作、オリジナル制作力不足、安易な企画立案ばかりの邦画界、とかいわれるきかっけにならないような良い作品であることを一映画ファンとしては素直に願っています。