盛大な埼玉ディスでありながらローカルな土地間での栄えてる方がカッコいいという幻想はどこにでもある。浦和春日部所沢、千葉や横浜から群馬まで地名が分からないなりに楽しめるとすれば、おそらくそういう事だろう。
出オチで終わりそうな自虐をここまで広げた発想力と敢えて「らしく」した過剰な演技と演出、それを大真面目にやってる熱意を感じつつ素直に楽しめた。
GACKTさんの見上げながら見下ろすようなアングルが美しくナルシスティックなキャラがハマっている。何より、二階堂ふみの大袈裟でもブレない演技がギリギリの均衡を保っているように思う。学校での宝塚の男役感のある生徒たちもなかなか良かった。
特化したものが無い代わりにあらゆるものが満遍なくある、というのは凄く分かる。徹底した茶番だけど、ベースにあるリスペクトと時折挟まれる小ネタが楽しい。