とりん

翔んで埼玉のとりんのレビュー・感想・評価

翔んで埼玉(2018年製作の映画)
3.6
2020年32本目

魔夜峰央原作の同名コミックを実写映画化。
GACKT、二階堂ふみのダブル主演で送る壮大な茶番劇。
ストーリーはあってないようなもの、東京から蔑まれた埼玉を飛翔させようという話。
演技派の俳優がズラリとそろい、ましてや主演にGACKTなんてやり過ぎも良いところ。
どこまでも大真面目にふざけており、設定も色々と凝っている。

ずっといがみ合っていると言われる千葉との有名人合戦も見所のひとつである。
東京は一番だ、他の県は格下、神奈川はイソギンチャク、千葉は金魚の糞扱い。
なかなかに地域格差社会が成されているが、それも全てこの話を盛り上げるためのネタでしかない。
ただ単にディスっているわけではなく、どこも愛あるディスり。
正直地方民からすれば東京の方が首都で都会ってだけで魅力はないように感じられる。

よくGACKTがOKしたなとも思ったけど、やはり最初は高校生役というだけで断ったそう。
しかし原作者である魔夜峰央先生の直接指名と知り、先生のファンでもあり、二階堂ふみがすでに相方役としてオファーされていたため、受けたという。
ここまでブッとんだ役もGACKTだからこそ映えるというもの。

本作の監督はテレビドラマ版の電車男、のだめシリーズ、テルマエロマエなど数多くの原作ありきの作品の実写化に成功し、素晴らしい演出の作品を作り上げてきた武内英樹監督。
今作も素晴らしい演出、原作へのリスペクト、そして作品への愛しかない作品だった。
とりん

とりん