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バッド・ディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり/悪夢の逃避行のkuuのレビュー・感想・評価

3.2
『バッド・ディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり』
原題 Bad Samaritan.
映倫区分 PG12.
製作年 2018年。上映時間 110分。

サイコパスが女性を監禁している豪邸に忍び込んでしまった青年の運命を描いたサスペンススリラー。
主人公ショーン役に『移動都市 モータル・エンジン』のロバート・シーハン。
テレビシリーズ『ドクター・フー』のデビッド・テナントがサイコパス役を演じる。

高級レストランの駐車係として働く青年ショーンとデレクは、客の車のカーナビや家の鍵を使って空き巣を繰り返していた。
ある日、高級車に乗った男性客ケイルの豪邸に忍び込んだショーンは、そこで猿ぐつわをされて鎖で縛られた女性ケイティを発見する。
デレクからケイルが帰宅するとの連絡を受けたショーンはその場を離れるが。。。

今作品は、妙に(意図してとは思うが)暗い色彩を使い、カメラの位置によって観察または追跡の感覚を作り出すことによって、緊張とサスペンスを維持することには悪くはなかったかな。
それが全編にわたって行われるし、多少スリリングな頭脳戦(幼稚な)を展開してました。
また、デヴィッド・テナントは、隠れソシオパスの行動を演技力で見事に表現していましたし、内面から社会を憎む問題児が、どのように自分の人格を隠していくのか、その行動様式を見事に表現していた。
(彼がソシオパスになる引き金になった馬を表現するのは、彫像、絵画、そして彼のデスクトップの背景の形で頻繁に見られますなど演出もソコは善かった。
また、刑事と話すシーンでは、一見無表情でありながら、優しく振舞おうとしているとこなんかチョイゾクッとはしたかな)。
しかし、今作品にはいくつかの欠点があるのは否めない。
ファルコの行動のいくつかは、今まで良くもまぁ逃げおおせたなぁって思うくら愚かな行為ばかりしてるように見える。
例えば、主人公をアレコレ思うようにしたいのはわかるが、殺るのは今やろってとこが多すぎてイラっとした。
主人公の行動も然り。
そんなんが多いため、主人公に共感しにくかった。
加えて、エンディングは少し急ぎすぎた感がある。
その後どうなったのか(作者の芸術的選択かもしれないが)、あるいは主人公とイカれ野郎と女の対話を聞いて、イカれ野郎の心の中をもっと掘り起こすと面白かったかもしれない。
まぁ、こんなもんかなぁって作品でした。
kuu

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