秘密のスパイ、誤解による逮捕劇、出自の違うバディ、テロ予告…
真面目に本筋を整えつつバラエティ豊かな方面への可能性をふんだんに揃えてたの対して、一つ一つのエピソードが娯楽性が薄いのは少し意外だった。
盛り上がりに欠けるのではと思ったがそれは同時に私の黒人差別に対する関心の低さを表してるのだろうか。
身を以て受ける側の差別をまともにくらったことのない内弁慶ゆえの幸福な立ち位置。
スクリーン越しに現実の様相を訴える描き方を観るに、鑑賞後の心に陰を落とす後味の苦さを与えたかったのかな。
WASPに関しての会話はもう少し膨らませた方がここに葛藤が生まれてあっても良かった。黒人とユダヤ人、より白人種に近いかを争ってマジョリティに組み込まれたいたい、というその気持ちが分断する側により仕組まれている。
差別を考える上で大事なのは溝が生まれる様に仕向けている透明化された存在に目を向けることなのかな、と思った。
ヘイトクライムに対して声を上げることと同時に、自分は果たしてそんな立派な奴かどうか自省の気持ちを持たないといけないね。
