スパイク・リー監督作の中でもかなり好きな方かも。題材が非常にスパイク・リーらしい。『黒人刑事がKKKに潜入する』実話なんてつまらないわけ無いですよね。
実質潜入するのはユダヤ人刑事のフリップで主役の黒人刑事、ロンは電話でのアポ取りがメイン。電話でのやり取りによる思い込みという話は、奇しくも最近見た「ギルティ』と通じる部分がありますね。
コメディ部分と社会風刺のバランスが絶妙。正直言うと見てる間は歴史を知らないと分からない部分も多々あったのですが、これが調べてみると非常に興味深い。『國民の創生』は見たことなかったのですが成る程…確かにこれは問題になりますね…。
ただこれはあくまで個人的な意見なのですが…あまりにもスパイク・リーの思想が映画を通して透けて見えすぎる部分が引っかかりました。ラストの映像も劇中のカタルシスをひっくり返される感じで好きなのですが、監督の主張が前面に出すぎている気もしません。もちろんそれは大切なメッセージというのは分かります。
スパイク・リーが『グリーンブック』に批判的な意見も分かるし、果たしてアカデミー作品賞に最も相応しい作品かといえば疑問もあります。でも『グリーンブック』もすげー面白かったんだよ！この辺りはこれから色んな人の意見を見ていきたいです。
でも本作『ブラック・クランズマン』も間違いなく傑作です。様々な意見を通して考えるのも映画の楽しみですからね。
