生きることを諦めないでくれて本当にありがとう
今までいろんな作品で 主人公の人生を見てきたけれど
ラストシーンの彼の笑顔を見て 心からそう思う
ナディーン・ラバキー監督「存在のない子供たち」鑑賞
子供として生きて
大人になっていくことが許されない世界の現実というのが
こんなに過酷で非情で希望が見えない絶望の連続なのかと
ゼイン・アル=ラフィーア氏が演じた主人公の12歳の少年ゼインの生き様に圧倒され続ける作品だったと記憶しておこうと思う
まず、驚かされたのが
この作品に出演し演じている人たちが
作品に登場する役の境遇の似た
素人の人たちがキャスティングされ演じているということだ
その中でも、ゼイン少年役のゼイン・アル=ラフィーア氏の
存在は驚嘆に値する
ゼインという役を演じる前の人生とはどんなものだったのか
想像するのが怖くなったくらい
彼の表現には嘘が一つもなく完璧だった
特に
刑務所に入ったゼインに面会に来た母親が
赤ちゃんが出来たと告げた時の
彼がゼインとしてみせた表情と発したセリフに背筋が凍った
あんな言葉を 自分の子供から言われたくない
あんな言葉を 子供に言わせてはイケナイ
この世の中の 親と言われる人たち
そして これから親となろう人たちの心を凍らせたと思う
遠い国のゼインの物語は 微かな希望を持って終わった
「誰も知らない」で是枝監督が描いたように
日本にも同じように多くのゼインが存在していることも
忘れてはイケナイということも追記しておこうと思う