むらさきの月

帰ってきたムッソリーニのむらさきの月のレビュー・感想・評価

帰ってきたムッソリーニ(2018年製作の映画)
3.5
先に公開された独コメディ映画「帰ってきたヒトラー」を
ムッソリーニに置き換えたリメイク版で9/20から日本で公開される
「帰ってきたムッソリーニ」を試写で鑑賞

もし、この作品を見てみようかなと思っている方は
是非、ヒトラー版も併せて鑑賞することをおススメします

見終わった正直な感想は…超・複雑なの
オリジナルのヒトラー版が面白かったから
ここまで演出や設定を同じにしてリメイクしないでいいのに……
と、思ったのだけれど
時間をおいて この作品を改めて鑑みてみると
な~んか奥の深~い解釈の出来る作品だったことに
気がつかされた

ドイツ、イタリア…とくれば、先の大戦時の三国同盟を連想するが
この作品の続編に日本の作品化はかな~り難易度が高い
やっぱり次は…スターリンか毛沢東、
それともホー・チ・ミンかポル・ポト?
いっそのこと もう一度ヒトラーに蘇って頂いて
現代のNYでトランプ氏と対決して頂くという設定は如何だろう

稀代の独裁者が現代に蘇る…
もうあの時を過去の記憶としてしか知るものが居ない時代に
彼らが蘇り同じことを始めたら……
歴史は繰り返す、という言葉が脳裏をかすめる

ムッソリーニに置き換えるってリメイクは有りだと私も思う
が、しかしだ
もうちょっと ムッソリーニ以外のキャラ設定
その役を演じる演技者、演出などなど
何とか出来なかったんだろうか
ヒトラー版と比べるとクオリティの低さが歴然としてしまい、
いまいち話に入り込めなかったのは残念だった
ただ、同じ設定であったことで
ドイツにはドイツの戦後
イタリアにはイタリアの戦後
戦後75年
その国が関わった戦争に対してどう向き合ってきたか
それぞれの国の現在をの姿を垣間見せていたのが非常に興味深い
ドイツとイタリア 独裁者に対する感覚の違いが
国民の声と共に 鮮明に浮かび上がってくる

二つの国の姿を見せられて 
日本はどっち側なんだろうと考えてミタ
どう考えてもドイツ側ではないなぁと思う

自国の姿を 他国から学び知る事が多くなってきた現代
他国からでしか自国の姿を見ることが出来なくなってきたこと
それが危機というなら…
日本の状況は非常に危機的状況なのかもしれない
と、記憶しておこうと思う
むらさきの月

むらさきの月