映画という記録媒体に留める必然性のある記憶って
こういう記憶なのかもしれない
9月27日公開の
監督・脚本アンソニー・マラス「ホテル・ムンバイ」の試写を
ギャガ試写室で鑑賞
安全な客席で観ている私でさえ
逃げないと殺される!という恐怖にかられ
精神的に追い詰められてしまうほど
上映時間123分 最後の最後まで緊張感の連続が続いた
地獄のような作品
異教徒を殺戮するためにホテルを徘徊するテロリスト
テロリストから生き延びようとする宿泊客
宿泊客たちを無事に逃がそうとするホテルマン
出演者全員の演技が秀逸過ぎ
当時のリアルな空気感を再現した監督の采配はお見事というほかない
奇跡の脱出と未来への希望を目にしても
テロリスト側の正義がもたらした惨状が目に焼き付いて
試写室を後にしても 気持ちが晴れることは無かった
それでも
制作側の主観が整然と整理・計算された映像の数々は
「正義」という名の下で
殺戮する側と 殺戮されていく側
それぞれの側の一瞬一瞬を余すことなく視覚に訴えてくる
「テロリズム」という世界を圧倒的リアリティで表現した
傑作だったと記憶しておこうと思う