kuu

アップグレードのkuuのレビュー・感想・評価

アップグレード(2018年製作の映画)
3.9
『アップグレード』
原題Upgrade.
映倫区分PG12.
製作年2018年。上映時間95分。

『パラノーマル・アクティビティ』のジェイソン・ブラムが製作、
『インシディアス』シリーズで脚本や監督を務めたリー・ワネルがメガホンを取ったアメリカンSFアクション。
主人公グレイ役を『プロメテウス』ローガン・マーシャル=グリーンが演じる
女性刑事役の人は『ゲットアウト』で不気味なメイドさん役やった女優さん。

近未来、奥さんと平和な日々を送っていたグレイは、突如現れた謎の組織によって妻を殺され、自身も全身麻痺となってしまうが、巨大企業の科学者によって実験的に埋め込まれたAIチップ『STEM』(このキャラ、作中で声としてのみ。ステムはオランダ語で『幹や声』の意)の力によって麻痺を克服し、人間を超越した身体能力を手に入れる。
グレイは脳内で会話する相棒的存在である『STEM』と協力し、最愛のパートナーを殺害した謎の組織への復讐を誓う。

余談ながら、グレイが亡くなった奥さんの検死書類を確認しているシーンでは、奥さんが2008年生まれやとわかる。
亡くなった時の年齢は38歳やし、今作品の舞台は2046年てことになりますよー。
あと、映画『ソウ』(Saw)に関する描写がウォーリーを探せ並みにブチ込まれてる。(本作の監督が1作目の脚本も担当)
ハッカービルのシークエンスで、壁のアチコチに『ソウ』の人形が描かれてた。
あと、ハッカーのマンションインターフォンの他室の名前に『J.WAN』とジェームズ・ワンの名前がある。

今作品は楽しくて、テンポよく加えて速くて、ほんで、何よりも好感が持てるSFアクションのハイブリッド作品でした。
低予算ながら、巧みに近未来を実現された作品やったし、ハイエンドの類似作品の多くに恥じないモンちゃうかな。
何よりも終わりかたが好きだなぁ~
あんこたべたろか。
今作品の監督のもう一つの印象的な偉業(『ソウ』やらの)であるって云える作品と個人的に思た。
時にルールブックに近づきすぎたり、おなじみのプロットを使ったりすることもあったけど、映画の流れにギアが入ったときには非常に楽しいドライブを提供してくれたし、近い将来おそらくカルト的な人気を獲得する作品となてんのちゃうかな。
いや、なっていて欲しいな。
オーストラリア出身のリー・ワネルは、繰り返しになりますが、『ソウ』と『インシディアス』ちゅう現代で成功した2つのホラー・シリーズの製作に貢献した後、映画製作の分野ではあまり期待されてへんかった(小生が無知だし知らんだけかもしれへんが)、低予算のSFアクションの今作品で、ワネルは映画監督としての成長したスキルを再び披露して、低予算でも多くのアイデアと創造性があれば何ができるでぇ~って云う例を生み出した。 2015年の『インシディアス:第3章』で監督デビューした後、俳優として、また映画製作の相棒であり、あらゆる面で伝説的な存在であるジェームズ・ワンと共に脚本家/プロデューサーとして何年も脇役を務めてきたワネルは、今作品でカメラの後ろの存在として、また脚本家としてかなりの成長を見せてんのちゃうかな(上からですいません🙇ただの通りすがりの映画好きです)。
この作品は、シンプルでわかりやすい物語やったし、これまでに見たことのあるような展開は否めないが、新鮮なイマジネーションが盛り込まれとりました。
ホラー界の巨匠、ブラムハウス(TV・映画シリーズモンの製作会社)のジェイソン・ブラムが製作と資金提供を行った今作品。
残忍で荒涼としたアクションをふんだんに盛り込む一方で、
コンピュータの脅威『Robocop』の人間とロボットのハイブリッド、
『Dark City』みたいな未来的な世界とか、様々な意味で信憑性の高いSFパラブル(例え話)を提供してる。
ただ、今作品は、90分ちゅうかなり短めの時間の中で、掘り下げなければならないアイデアや要素が多すぎるため、監督が提供する作品やキャラのすべてが完全に生きているとは云えない(ベネディクト・ハーディー演じる主犯格のフィスクと、彼が演じる常軌を逸した雇われ銃の一団や、ハリソン・ギルバートソン演じるコンピューターの天才イーロン・キーンなどが顕著かな)が、まぁローガン・マーシャル・グリーン演じる四肢麻痺のメカニックを追っているときには、この作品の魅力に気づかされます。
また、ローガン・マーシャル・グリーン演じるグレイは整備士で、四肢麻痺を患い、一人で復讐のために戦う。
奥さんの死や車椅子生活の原因を作った人物の正体を探ろうとする姿を描いた『アップグレード』は、ワネル監督の作品が今後も長く評価されるきっかけとなると信じたいかな。
落ち込んでいたグレイが、コンピューターで動く破壊兵器に変身していく様子を描いたこの作品じゃ、グリーンが自分の新しい心と体をコントロールできていないことを(精神的にも肉体的にも)淡々と表現していることと、ワネル監督の鮮やかでエネルギッシュなアクションシーンが見事にマッチしたし、観ていてとても楽しく面白い作品でした。
kuu

kuu