あるちう

アメリカン・アニマルズのあるちうのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

【あらすじ・感想】
大学生のスペンサーとウォーレンは繰り返される平凡な日々に嫌気が差していた。
このまま何者にもなれず、特別な体験もなく大人になって行くのかという絶望感から刺激を求めて1200万ドルの価値がある図書館に保管されているオーデュボンの「アメリカの鳥類」という図録を盗む計画を立てる。。


実際に起きた事件が題材。事件当時をスペンサーやウォーレンを役者が演じる一方で、本人達も回顧し、コメントする役割で登場する。
映画というよりは、ドキュメンタリーの色合いが濃い。

いやぁー、面白かった。もうリアルもリアル。
誰もが通ってきた道だと思うんです。自分が特別で何者かになれる。人生にドラマがあるっていう感覚。
特にスペンサーの行動や考え方はかなり共感出来る部分がありました。人生、待っていても何も起きない、自分で起こさないとって本当に真実だと思います。でも、彼は間違った方に舵を切ってしまったんですね。

画作りや演出面もすごく良くて、前半の犯罪に対する楽観視や憧憬を明るく、歌を交えながらおしゃれな雰囲気で魅せる一方で、後半~終盤の犯罪を犯した人間の本当の現実を見せつけるつくりが最高でした。

犯罪って道徳的に行ってはいけないものと言われていますが、なんで?っていうことの答えがこの映画の後半には詰まってます。
物理的、精神的に人を傷つけることの重さ、罪が露呈してもしなくても怯える恐怖。
悔いても悔やみきれない現実があるんです。映画と現実は違うんだよってふたりがお菓子を食べながら泥棒映画を観るシーンで強烈に皮肉っています。

道徳教育として色んな学生に観て欲しい映画です。

多分今月のNo.1ですかね。良きでした!
あるちう

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