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書くが、ままのsingerのレビュー・感想・評価

書くが、まま(2018年製作の映画)
2.7
MOOSIC LAB2018の上映作品。

序盤はちょっと陰険な感じのイジメの描写なんかもあって、結構、胸糞悪いなぁと思いつつでしたが、やっぱりMOOSIC LAB作品らしく、音楽がそんなモヤモヤをスカッと晴らしてくれたので、最後はとても清々しい気持ちにさせられましたね。

やっぱり、音楽が人生の中で、迷った時や、苦しい時に、そっと背中を押してくれて、自分の殻を少しだけでも破ろうとする、そんな小さな一歩のための力になり得るんだという事を、改めて実感させてくれた、素敵なストーリーでした。

そして、主人公を演じたLove Cocchiの中村守里が、MOOSIC LAB2018で、最優秀女優賞に輝いたというのも納得の、とても繊細な演技を見せてくれたのも、ひとつの見所だったなぁと思います。

「書くが、まま」。
自分も今作の主人公のように、高校生の頃から、日記の中で、自分の好きな音楽や、映画の事や、その時の心情を吐露したような、詩の断片みたいなものをノートに書いていた時期があります。
当時は、そこに意味を見出したりする事もなく、ただ書きたいから書いていたというような、そんなものだったとは思うのですが、今思うと、そんな経験が、今こうして、この場で映画の感想に筆を走らせている自分に繋がってるんだなぁと。
そして、これらのレビューも、何年後かの自分に対して、その時自分が思った事、感じた事を、伝えるための一つの手段として、書き続ける意味はあるんじゃないかなぁと、そんな風に思ってたりしています。

“なぜ、自分は書き続けるのか?”

その事については、あんまり真面目にに考えた事は無いんですが、自分にとってレビューを書くという事には、そんな側面もあるんだろうなぁと、そんな事を考えさせられた作品でした。
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