abee

アラジンのabeeのレビュー・感想・評価

アラジン(2019年製作の映画)
3.8
【これが私の生きる道。】

私ってばあんまりディズニーの作品観ないのですが、「アラジン」だけは別格で。
特にプリンセスものは全く観たことないのです。
どれだけのディズニー映画を私観たことあるのかと思いちょっと数えてみたところ、なんと57作品中6作しか観たことなかったのです。しかもそのチョイスがなかなか微妙で、「101匹わんちゃん」「ノートルダムの鐘」「チキン・リトル」「ラマになった王様」「ライオン・キング」と「アラジン」のみ。
我ながら絶妙なチョイスですよ。

「アラジン」は大好きですが、実写ってどうなんでしょうか?
普段ならスルーするところです。
それでもこの作品はとーーっても楽しみにしてました!
だってガイ・リッチーなんだもぉーーん‼︎

正直なところ、普通でした。
良い部分もたくさんあったし、微妙な部分もたくさんありました。
結果、総体的に普通だという感想になってました。

始まりから何故かもうすでに退屈。理由は画面の画力が弱い。
アラジン役のメナ・マスードも、ジャスミン役のナオミ・スコットも、とてもキレイな顔立ちで良かったですよ。映像に迫力があるにも関わらず、その存在に力が足りません。
それに、敵であるジャファーも。
パンチが弱く、アニメのようなカリスマ性はありません。

それ故にジーニーが登場してからの画面から溢れ出すパワーは凄かったです。

もう、この作品はウィル・スミスのおかげで成り立っていると言っていい。エンドロールのキャストの最初に登場するのもウィル・スミス。
「アラジン」という作品を1番に象徴するシーンはもちろんアラジンとジャスミンの魔法の絨毯に乗っての空中散歩と「a whole new world」。
もちろん感じ方は人それぞれではありますが、このシーンも私的にはとても微妙。暗いし、世界の美しさがあまり伝わってこない…意外とテレビ画面で観た方が美しさは分かるのかも。

でも洞窟の「friend like me」、アリ王子登場の「Prince Ali」は最高過ぎる。ヒップホップ・アレンジも大正解。このシーンのためだけにBlu-rayを買いたい。

…なのに!
実写オリジナルソング「speechless」が…
なんか違うと思う…‼︎
作品の雰囲気に微妙に合ってない気がする普通のポップス感。
なんでかと思ったらベンジ・パセック、ジャスティン・ポールの「ラ・ラ・ランド」コンビだった。なるほど…

今のところ微妙なレビューになっていますが、この作品の1番評価すべき点は思い切ったジャスミンの現代的な王女像への改変とジーニーの人間的描写。
これは素晴らしいと思うんです。
その上で成り立つ結末も、アニメ以上の感動がありました。
特に法律の改正に関して…実写版の説得力とジャスミンの力強さにフェミニズム的なメッセージを感じたり、黒人であるウィル・スミスが自由を求めるランプの魔人を演じたことには少なからず意味があったのではと思います。
魔法でなんでもできるジーニーが人間になりたいと願う気持ちには、現代の多様な人々の気持ちが当てはめられるのではないかな、なんて思うのです。

ということで、脚本ベースで考えると大人向きの作品として上手く脚色され、実写化として大成功であることは間違いありません。
なのにトータルで考えるとどうしても「普通だった」という結論に至ってしまう私はなんでなんだ…。

なのに、もう一回観たいと思っている私はなんでなんだ…
歌って踊るウィル・スミスはやっぱりカッコいいよ‼︎‼︎
abee

abee