新潟の映画野郎らりほう

ワイルド・スピード/スーパーコンボの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

2.6
【ワンツー】


画面左右分割の冒頭シークエンス。右にショウ(ステイサム)、左にホブス(ジョンソン)に裁ち割られた二人は、然し 覚醒 ー 朝食 ー 外出 ー と“鏡像"の様な対称性を見せている。
その後ショウは母、ホブスは娘と、其々血縁と歓談した後に これまた其々諜報機関の接触を受ける。
そして機関施設で対面する事となる二人は ここでも明確に右にショウ、左にホブスの“左右対称の"立ち位置を崩さない―。

お互い相容れぬ“正反対"でありながら“左右対称" ― 成る程 彼等は“右手と左手"とゆう事か。

ボクシングに於いて、ジャブに続いてストレートを放つものをワンツーパンチ 或いは単に“ワンツー"と呼び、それが最も基本且つ効果的コンビネーション=「コンボ」と呼称される事は自明である。
その左右のワンツーコンボ、そしてその主題系を明示する邦題が適宜爽快だ。




〈追記〉
シリーズとの兼ね合いなのか ― 矢鱈と故郷や過去を持ち出し どいつもこいつも 家族だ〃だ、絆だ〃だと口に出さずにはいられない様である。それらを目線で、仕草で、所作行動で描くのが“アクション"映画だろうに。
余計で拙劣な話法は、徒らに上映時間を遷延させアクションを弛緩させる。

現実社会に於ける有言実行は立派だが、映画の中では不言実行こそがより秀抜である。




《劇場観賞》