小松屋たから

青の帰り道の小松屋たからのレビュー・感想・評価

青の帰り道(2018年製作の映画)
3.7
「地方に住む若者たちの人生のその後」。このテーマは映画でもドラマでも本当によく採り上げられる。自主映画の王道路線でもある。でも特に輝いた青春を過ごしていない身としては、正直、「あの頃が最高だった」と思える高校時代があったことの方が羨ましい。

じわじわ動くカメラの画角、抑えた色味が観る者を常に不安にさせる。その一方ですっきり伸びた一本道の農道だけが非日常的に美しい。監督の映像センスがこれまでの同テーマの作品とはまた少し異なる映画的な「品格」を生んだように感じた。

主役が実際に元アイドルの真野恵里菜、ということもこの映画にプラスの影響を与えているのかも。夢半ばで挫折していく仲間たちをきっと間近でたくさん見てきただろうから。

森永悠希が出色。