ましゅー

CURED キュアードのましゅーのレビュー・感想・評価

CURED キュアード(2017年製作の映画)
3.9
20日金曜日、場所を移しての二本目。
当日より公開の新作。

ついに…………ktkr‼️(年甲斐もなくすいません😅)

これはゾンビ映画の新たな地平と言っていいかも知れません。
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ウイルス製ゾンビではあるものの、それで起こったパンデミックが治療法が見つかった事によりある程度収まった後、元ゾンビから回復した者たちの社会復帰の顛末について、言わば現代正統派の「その後」を描く、ありそうでなかった意欲作。
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まさに今、この瞬間にも世界を席巻しているコロナウィルスパニック、それによって引き起こされる謂れのない感染者・感染者と思しき者たちに対する不信感/嫌悪/迫害、にも呼応したかのようにタイムリーな公開でもあります。
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何とも………。
今まさに起こっている事の写し絵かのように、グサグサ刺さってきます。
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しかし、ゾンビになっている間の記憶が全て残っているとの設定が、また………つらい。

家族を失った人たちも回復した方も。罪の意識に苛まれ、後悔してもしきれない、毎夜悪夢を見るその心情は如何ほどのものか…。
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明るい場面はほぼなく終始鬱々とした展開に漂う緊張感。微かに残された希望に幾ばくかの安堵は感じるものの、自身がゾンビ映画好きというバイアスは差っ引いたとしても、ずっしりとした手応えの佳作であり、満足感を得られた事は最後に記しておきたいと思います😔
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(以下公式HP・イントロダクションより抜粋)
ゾンビ・パンデミック終焉後、元感染者が社会復帰した世界。そこに渦巻く怒りと憎悪の連鎖が、新たな惨劇を招き寄せる!
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人間を凶暴化させる新種の病原体、メイズ・ウイルスのパンデミックによって大混乱に陥ったアイルランド。6年後、治療法が発見されたことで秩序を取り戻し、治療効果が見られない25%の感染者は隔離施設に監禁され、治癒した75%は"回復者”として社会復帰することになった。
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回復者のひとりである若者セナンは、シングルマザーの義姉アビーのもとに身を寄せるが、回復者を恐れる市民の抗議デモは激しさを増すばかり。やがて理不尽な差別に不満を募らせ、過激化した回復者のグループは社会への復讐テロを計画する。その怒りと憎しみの連鎖はセナンやアビー親子を巻き込み、新たな恐怖のパンデミックを招き寄せるのだった....。
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感染系ゾンビがもたらした終末的厄災の"その後”を描いた作品には、『28日後...』の続編『28週後...』などいくつかの前例があるが、自作のオリジナル脚本で鮮烈な長編デビューを飾ったデヴィッド・フレイン監督は、人種差別、宗教対立、移民問題などによって分断された現代社会の状況を生々しく反映。
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さらに元感染者=回復者がゾンビだったときの忌まわしい記憶を保ち、耐えがたいPTSDに苛まれる設定を加え、限りなくシリアスにしてリアルなホラー映画を完成させた。
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不寛容な社会で行き場を失っていく登場人物たちの苦悩に満ちたサバイバル・ドラマ、 そして凄まじい緊迫感がみなぎるクライマックスのディザスター・パニックからひとときも目が離せない。
ましゅー

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