きよぼん

町田くんの世界のきよぼんのレビュー・感想・評価

町田くんの世界(2019年製作の映画)
4.0
さわやか青春映画!なのです!

町田くん(細田佳央太)は周りの人を助ける行動しまくりの優しい高校生。彼の行動によって、周囲の人間が変わっていく。

「変わっていく」ってきいて、大人だったら「ヘッ」って鼻で笑ってしまうでしょう?でも10代の頃ってこうじゃなかったかなと思うのですよ。

大人になると、自分の生活や立場を守るため、心にヨロイを着込むことになります。でも高校生の頃って、自分の考えてることを、むき出しにしてよかった。それができるのが10代ですよね。そして、むき出しだからこそ、人の影響をビンビンに受けて変わることができる。まぶしいです!

説教がましくなく、押しつける感もなく、すとんと心に落ちる表現となっているセリフとユーモア。そして町田くんの周りの高校生役の演者がいい!前田敦子、大賀、高畑充希、岩田剛典といった、若手では実績ある人達が存在感みせてくれます。

反対に町田くん役の細田佳央太と、ヒロイン役の関水渚のカップル。キャリアが少ないからこそ、くっきりと一生懸命さと自分に悩む姿が映し出せたと思うのですよ。この高校生の役者陣のコントラストは味わい深いものでした。

役者の存在感といえば、この映画、有名どころの役者さんがバンバン出てきます。でもあんまり意味がない。こんなに雑に扱われる佐藤浩市と松嶋菜々子も珍しい。知ってる俳優さんが出てくるだけに、メジャー映画みてる気持ちになるけど、やってることは展開ふくめて結構なところへ観客を運んでいきます。

ラスト間際のぶっとび展開をどう受け取るかは観た人によるでしょう。
面白いという人もいれば、心が離れたと思ってもどちらの感想でもいいと思います。

ただ、もしかしたらああいう奇跡が世の中起こってるのかもしれない。だけど映画の中でスマフォをのぞき込んでいて見逃した電車にいた人たちのように、大人は気づかないだけかもしれないですね。
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