三郎丸

愛がなんだの三郎丸のレビュー・感想・評価

愛がなんだ(2018年製作の映画)
3.9
【見えないものほど人はそれにしがみつき、振り回される…】

お話は、
テルコ(岸井ゆきの)はバリバリ尽くしたい女の子。マモちゃん(成田凌)は【重い女(ポイント)】が苦手な男。
このイビツな2人の日常や恋愛模様、周りの人たちのそれぞれを描く。

恋愛話や人間模様をじっくり見せることで、いつの間にか自分を見ている作品。

誰しも他人の心は分からないし、自分と他人から見えている自分は違う。
人には滑稽に見えたとしても、本人は必死だったり。
本作品は【どこにでもある男と女のお話】を淡々と見せるがゆえに、観る人は過去の経験等から感情移入しやすいです。

いきなりですが、人間関係は難しい。
男女の関係なら、なおのこと難しいと思う今日この頃です。
例えば、恋愛関係を【より深いもの】とするため、他人が他人の心へ安易に踏み込むと、自分が自分でいられなくなります…何故なら、人の心なんてそれぞれ違いますし、容易に変化する…その人が好きだから、気にいられたいという気持ちで相手に合わせることってどうなのか?
それを深く考えずに突っ走るから、別れ話のもつれで最悪、殺人事件とかになったりするのかな?と思ったりします。
坊さんの説法様になってしまいそうですが、
他人からの自分の評価、他人からの価値観の押しつけを鵜呑みにするのではなく、自分が本当に必要、大切なことを理解しているか?
それを棚上げして、周りの人に合わせ、なんとなく生きてしまうのはとてももったいないと思うんです…

特筆すべきは、ナカハラ役の若葉竜也氏
他の俳優さんも非常に良いのですが、
微妙に震えながら、静かな怒りや、彼女?との別れのセリフが素晴らしい。

誰しも、色んな経験をしながらそれぞれの人が思い描く幸せを目指しているのは間違いないですが、他人の人生を生きるではなく、【自分の人生】を生き抜きたいですね。

色んな気持ちが盛り上がり、作品のレビューにならず…汗
でも、それだけ色んなことを考えられる良作ということです!
三郎丸

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