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闇動画4のshxtpieのレビュー・感想・評価

闇動画4(2012年製作の映画)
1.5
ファンが多い『栄光の手』が収められているものの、いずれもあまり怖くなく、冗長で退屈さが際立つ。

『合い鍵』は、(当時の)スマートフォンで映された映像という体で、非常に画面が狭く見づらい。とはいえ、浴室に「あきらかに何かがいる」という濃い影の映り方に「開けちゃダメ!」と言いたくなった。取材の部分を含めて、全体的に説明過多でかなり冗長。

『顔面陥没』は、『4』で最もシンプルな『ほん呪』的な短い投稿動画で、説明のなさがかえって「顔面」の異様さや唐突さを際立たせる。

名高い(悪名高い?)『栄光の手』は、そこそこ期待していたのだけれど、それほどいいとは思えなかった。ぐわっといきなりデリヘル嬢を絞殺するところはもうちょっと俊敏に、カメラも動かしたり絞められた方も抵抗したりしてほしかった。「手」を「ターンッ!」と斬るのはよかったけれど、直前の無意味なカメラを逸らす動きが不自然すぎる。あからさまな加工乙なブロックノイズがうるさくて苛々するものの、オカルトのギアがいきなりガッと入った最終盤はいい。『図解 魔導書』を引用して『小アルベール』を解説する、という丁寧さに感動。

『栄光の手』を挟んだ前後編の『同棲の相手』は、そこそこ大作。3分の2くらいはかったるいけれど、部屋の明かりが消えてからが本番。真っ暗な室内でカメラに何も映らない中、離れたところのインターホンの画面がやけに明るく浮き上がっているのが実にいい。また、「すみません」と言っているのかなんなのか、インターホン越しの霊のおそろしげな発声(?)と蠢きがいい。襖越しの光の明滅は特におもしろみはないものの、蝋燭のような小道具が出てくることで急激に FPS のゲームのような映像になっていくのがまたいい。一人称視点の強さよ。ラストは、「霊能者」がおかしな見た目になっているだけでかなりこわかったので、霊がズームで飛び込んでくるところは蛇足。ここでもまた『図説 日本呪術全書』が参照されて、真実みのあるもっともな解説がされる。これもまた長かった。
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