シマすけ

CLIMAX クライマックスのシマすけのレビュー・感想・評価

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)
3.9
ハイパーガンギマリタイム


あらすじ :
冬の山奥でダンスの猛特訓をしているダンスチーム。終了後のパーティで酒を片手に下世話な話に花を咲かせる面々だが、彼らの飲むサングリアに何者かがLSDを混入。パーティは阿鼻叫喚の地獄と化す。


薬物防止キャンペーンとして学校で流せばいいのでは?(なお18禁)

色々と普通じゃない映画。
グロや出血こそ少ない一方で演技やカメラワークがイカれていて、こっちまでおかしくなりそうな恐怖。
いきなりエンドロールが始まり、開始から45分経ってようやくタイトルロール。その後は最後まで発狂の宴が続く。

前振りがかなり長いのだけど、ここで繰り広げられるダンスが圧巻。
主役以外の全員はプロダンサーがそのまま演じており、音楽にノッてパフォーマンスする姿がかなりクール。
関節を無視したグネグネ超高速ダンスは人間だと思えない動き。生で見たら唖然となるはず。
一見ダラダラしている冒頭のインタビューや合間の会話も後の惨劇の伏線になっていて、油断出来ない。

さてメインの地獄のパーティ。
秘められた人間の欲望や性癖、本性が解き放たれたネジの外れっぷりはまさにクライマックス。
ある者はエクスタシーを感じて踊り狂う一方、大半の者は頭がやられて泣き叫んでのたうちまわったり暴力的になって理性が崩壊してしまう。まさに地獄絵図。

しまいに画面全体が真っ赤な照明に照らされカメラやテロップまでひっくり返り、いよいよ一体何を見せつけられているのか分からなくなってくる。
同じフレーズを繰り返すテクノミュージックがガンガン流れて、陶酔するとはこの事か。


この監督他にもこんな映画ばっかり撮ってるらしくて怖い。ちょっと勇気がいる。
怖いもの見たさと薬物の怖さを知るにはうってつけの映画でした。

快楽に溺れた男性のだらしない表情を見たい方はぜひ。
シマすけ

シマすけ