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ロケットマンのtetsuのレビュー・感想・評価

ロケットマン(2019年製作の映画)
4.0
友達に誘われて、鑑賞。

世界的有名シンガー"エルトン・ジョン"
彼の壮絶な半生に迫る音楽伝記映画。

[はじめに]
『ボヘミアン・ラプソディ』の影の功労者*、デクスター・フレッチャー監督作品ということで期待していた本作。
正直、『ボヘミアン・ラプソディ』には及ばなかったものの、予想を上回るかなりの秀作でした!

*デクスター・フレッチャーさんは、『ボヘミアン・ラプソディ』製作の際、撮影途中に降板してしまった監督・ブライアン・シンガーさんに代わり、作品を完成させた経緯がある。

[感想]
『ボヘミアン・ラプソディ』のイメージから、音楽映画*を想像していたのですが、開始数分で本作がミュージカルであったことが発覚。笑
まるでドラッグを使用した主人公の世界を追体験しているような独特な映像が印象的でした。
*ここでは登場人物の歌唱シーンを含む作品を音楽映画。歌い踊るシーンを含む作品をミュージカルと扱うことにします。

[『ボヘミアン・ラプソディ』との比較]
本作が『ボヘミアン・ラプソディ』と比べられてしまうことは避けられないでしょう。
主人公の成功がテンポ良く描写されたり、スターゆえの孤独や挫折、セクシュアリティの問題が取り上げられているなど共通している部分も多く、そこが目立ちがちではあります。
しかし、異なった部分にもぜひ、目を向けていただきたい。
モデルとなる主人公が歌手としてステージに"未だ立ち続けている"という点もそうですが、特に彼が"孤独"を乗り越えるために辿り着いた結論が良かった!
『ボヘミアン...』のフレディ・マーキュリーさんの場合、"クイーン"や"大切な人々"の存在が色濃く描かれていたように思いましたが、本作の主人公エルトン・ジョンさんは、クライマックスで予期せぬ人物からの"裏切り"を経験してしまう。
その上で"誰かに認めてもらいたかった"彼の最後に下す答えが、予想外ながらも、とてもエモーショナルで説得力のあるものでした。

[『キングスマン』のスピンオフとしての『ロケットマン』]
『キングスマン:ゴールデン・サークル』にはゲストキャラクターとして、本作のモデルとなったエルトンさんが本人役で登場しています。そこで主役のスパイ青年を演じていたのが、なんと、本作でエルトン・ジョンさんを演じたタロン・エガートンさん!
今回の『ロケットマン』でタロンさんが初登場する際に使われている曲が『キングスマン...』の劇中で印象的だった『Saturday Night's Alright For Fighting』であるのも中々、興味深かったです。笑
(ちなみに『キングスマン...』では本作の表題曲『ロケットマン』も使われています。)

というわけで、予想以上に楽しめた本作。
僕も含め『ボヘミアン・ラプソディ』のノリを期待して観にきた若者よりも、
リアルタイムで追ってきたファンたちに観てほしい作品ではありますが、
もし、エルトンさんをよく知らずに観ることになった方は『キングスマン:ゴールデン・サークル』を予習しておくと、より楽しめる作品だと思いました!!

参考

タロン・エジャトンの素顔はエグジーよりエルトンに近い!『キングスマン』監督が明かす - シネマトゥデイ
https://www.cinematoday.jp/news/N0110791
(なるほど、そういう経緯で彼が主役になったんですね...。)

Bohemian Rhapsody : 伝説的なロック・バンドのクイーンを讃えて、故フレディ・マーキュリーの生き様を描いた音楽伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」の予告編を初公開 ! ! - CIA Movie News
https://www.ciamovienews.com/2018/05/Bohemian-Rhapsody-Queen-Freddie-Mercury-Trailer.html
(『ボヘミアン...』製作のトラブルについては、コチラでざっくりと書かれています。)

エルトン・ジョン伝記映画、『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック登場が検討されていた - シネマトゥデイ
https://www.cinematoday.jp/news/N0109275
(確かに、これは英断だったのかも...。)

Elton John - I'm Still Standing
https://youtu.be/ZHwVBirqD2s
(一応、MVも貼っときますね。)
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