マツシマ

ザ・ファブルのマツシマのレビュー・感想・評価

ザ・ファブル(2019年製作の映画)
3.7
業界でも「さすがに実在しないでしょ笑」と都市伝説扱いされてるほどの凄腕の殺し屋
ついたあだ名はファブル(寓話)

ボスからの次のミッションは
「1年間普通の人間として暮らすこと。もちろん殺しは絶対にダメ。」

サトウという偽名を得、相棒のヨーコを妹役にサトウ兄妹の「普通の」生活が始まる……in大阪


原作漫画のファンでもあるので期待と不安が入り混じりつつ鑑賞


はいおもしろっ!!!!!!!

殺しをちょっとポップに描き過ぎかな感はあるものの、ガタイ良しアクション良しの岡田准一の感情の見えない演技による説得力で事なきを得ます

役者陣の活躍めざましく
安田顕の渋さ
佐藤浩市の怪しさ重厚さ
山本美月の関西弁のほどよさ
ともすればオッサンまみれの原作と違い男前ハンサムのオンパレードで画面が楽しい脇役陣

そして何より!!
柳楽優弥ですよ!!!

「先の無い危なさ」を演じたら右に出る者がいないのでは?と邦画界で噂されている柳楽優弥が、ほんとにどーしよーもないチンピラをド好演
ひょっとしたら「ディストラクションベイビーズ」を超えるほどのハマり役だったのでは?(ディストラクション〜と違ってある種のカリスマ性が無いキャラなので、そこがまた)

チンピラ柳楽優弥と兄貴分安田顕の関係
映画版「ザ・ファブル」はそれがもう1つの見所なのでは
(ボス佐藤浩市と殺し屋岡田准一の関係がオーバーラップするところもあり、なかなかニクイ構造なんだよもう)

原作未見で何ら問題がない、というか映画はまた別のファブルになってました
映画版はとにかく派手……

しかしただ楽しくドンパチしてるだけじゃなくて、しっかり苦い部分も描いており
映画そのものをぐっと締めよう!という意気込みが感じられて良かったです
原作かなり渋いから……


省略してる部分がものすごくあったり
(主人公の状況の理解が早過ぎ、知らんチンピラのために命賭け過ぎとか)
佐藤二郎がいささかオーバー演技してたり
ヤクーザ向井理がどんだけ凄んでも可愛かったりしますが

全部目を瞑れるくらい面白かったです
(個人的には発砲の後に薬莢が転がる音がしてたり音響が素敵で良かったり)


スタッフロールのアクションコーディネートのとこに「岡田准一」てあるの面白過ぎでしょ
ガチかよ