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僕はイエス様が嫌いのmQのレビュー・感想・評価

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)
3.8
私は、無宗教だ。(ドーーーンッ笑)
そりゃたまには「神様お願いします云々〜」なんてこともするし急に天を仰いで我に力をををを!!!なんて無駄骨を折ったりもしてます。
でも、本当の意味で何かしらの宗教を信仰していることはありません。
どちらかと言えば少し気味が悪いと思っていたり、、かといって神社に行ったらそれなりの作法で入ってみるし、お寺で二礼二拍手なんてしない。
滅茶苦茶なわけです。
でも、日本人ならば少しは当てはまってくれるのでは。

主人公のユラくんもそんな人間の1人でした。
東京から転校して雪深い地域の学校へうつると、すぐに〝違和感”に気付きます。
その学校は決まった曜日に「礼拝」があったり、「お祈り」をすることが常です。
当たり前の行為に誰かが物申すわけもなく、ユラくんも仕方なく従っていきます。

するとある日突然、いつも通り仕方なくお祈りのポーズをとった彼の前に、小さな神様が目の前に現れるのです!!!

ミニマム・イエスを目の前にして、戸惑う彼の姿がまさに私の姿。笑
信仰がそばに在るというのはこういうことをいうのかしらとも思いました。
そこで、小さなお願い事を重ね、本当に叶うかどうか試してみます。
ここで彼は最初の頃よりも圧倒的に信心しているんですね。
見事「お祈り」が通じ、大切な友を得るユラくん。
しかしながら、ここで勘の良い人はタイトルを回収しないのか!?なんて思い始めるわけです。笑

人生は当たり前のように試練があり、それらは信心することで本当に乗り越えられるのか。
試されているというよりは勝手に流れていってしまった時の中で、小さな彼が直面したのは重苦しい現実ばかり。
イエス様の有り難いお言葉や奇跡なんてものは、使い物にならなかったのです。

信じたいものは、自分で決めろ。
ラストを見てドバッと泣きながらもそんな強い何かを感じて、鈍い痛みを胸に感じた。
ううううううん良すぎる。
こんな素敵な映画を作れる人がまだ日本に居るなら、実写化映画かシリーズ物で埋まるばかりの邦画界も捨てたもんじゃないかもね。
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