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スヴァネティの塩のchiyoのレビュー・感想・評価

スヴァネティの塩(1930年製作の映画)
3.5
2022/5/29
鳥飼りょうさんのピアノ生演奏付きで鑑賞。コーカサス、スヴァネティ地方。あまりにも苛酷な環境で、別の場所に暮らした方が良いのでは?と思えるくらい。そして、タイトルにも冠している通り、塩!塩!塩!塩がないのである。人間も動物もとにかく塩に飢えていて、動物が塩の成分を含む尿や血を舐めるシーンが印象に残る。が、何よりも、妊婦の扱いとその後の顛末があまりにも残酷すぎる。水を欲する赤ん坊を産んだばかりの女性と、浴びるように水を飲む大勢の人たち。渇きと潤いがカットバックで描かれ、救われない女性を見ているのが辛い。ただ、ラストで鶴嘴を振るう男性たちの姿は力強く、この土地に残る可能性を感じる。
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