新潟の映画野郎らりほう

映画 としまえんの新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

映画 としまえん(2019年製作の映画)
1.8
【友死魔怨】


媚諂い、愛想笑い、蒲魚(カマトト)、虚像のトモダチ、仲間を亡失しても放さないスマホ…。

体裁/世間映え第一義で 真自己認識を忌避し続けた虚偽主義者は、皮肉にも本当の自分の姿を目にする ―模造の園で―。


『汝が深淵を覗き込む時、深淵もまた等しく汝を覗き込んでいる。怪物と闘う者は、知らず自らが怪物と化さぬよう心せよ』フリードリヒニーチェ



〈追記〉

鏡の間の写り込みや 明滅照明等、心象顕現は為されている ー 一応だが。
低予算作品である事は百も承知だが、であるならば より一層配光や構図へ深慮すべきだろう。
メリーゴーランドの“回転”、フライングパイレーツの“往還去来”、それらの運動性こそを主題系へと昇華すべきだろうに ― 何の為の遊園地かと。


表面的にはスマイル全開でその実 互いに反目し合うImitation Girlの姿に、(元)NGTの偶像少女達の限界点露呈が透過するのも時世か。




《北原里英・高橋浩監督 新潟市先行舞台挨拶付上映/劇場観賞》