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太陽は動かないのumisodachiのレビュー・感想・評価

太陽は動かない(2020年製作の映画)
2.9


吉田修一原作のスパイアクション。WOWOWで放送されたテレビドラマの続編になるのかな?ちなみに両方未見。

バリバリ映画を観て感想を書きたいのにそれができない状況が続いている。なぜなら、時間がないから!理由は、海外に引っ越すから。準備に忙殺されていて映画を観ている時間がない。くうう、観たい作品たくさんあるのにー!!!しかも、渡航先は英語圏でもアジア圏でもないので映画館で映画を観るのは難しそう。耐えられるだろうか……。

さて気を取り直して、忙殺される直前に観た『太陽は動かない』の感想をちゃちゃっと書いてしまおう。

産業スパイ組織・AN通信の諜報員は、裏切り予防のために心臓に爆弾を埋め込まれている。24時間以内に組織に連絡を入れないと爆発するのだ。諜報員の鷹野と田岡は、ブルガリアで拘束された諜報員・山下の救出に向かい市街地で敵と死闘を繰り広げる。彼らが追うのは次世代エネルギーの極秘情報。世界を巻き込んだスパイたちの戦いの行方は……?

原作もWOWOWドラマも見ていない自分が悪いのだが、根本的な問題としてストーリーがよくわからなかった。さらに、「24時間連絡入れないと爆発するってシビア過ぎない?電波が届かない場所だってあるだろ」とか、「携帯でパスワード2回入力っていう連絡方法、どうなんだろう?」とか、基本設定から引っかかってしまう。また、他にもエージェントが出てくるものの彼らの立ち位置を把握できないまま進んでいくので、いまいち頭脳戦の全体像がつかめいという……なんとなく不完全燃焼で鑑賞を終えた。

とはいえ、冒頭のブルガリアロケはかなり気合が入っていて見ごたえたっぷり。市街地のど真ん中であんなことになったら大ニュースじゃない?とは思うが、そんなこといったら007もM:Iも成立しなくなっちゃうしね。「そこから撃たれたら、どう考えても死ぬよね?」という無理やりな展開は散見されたものの、あそこまで思いっきりド派手なアクションを見せてくれたら満足度は高い。

ただ、その後のアクションシーンは尻すぼみ感あり。さらに鷹野の子どものころの回想シーンが頻繁に挟まれるので、テンションが追い付かない。『ザ・ファブル』ほどしっかり過去を解説してくれるわけではないので、「どういうこと?」「この人誰?」「え、それでどうなったの?」など疑問は解消されないまま。また、鷹野たちのボスである風間もよくわからない。どういうスタンスで、なんの立場の人なの?

また、韓国の俳優(いずれも美男美女でエージェント役)がご丁寧に日本語を話してくれたり、なぜか中国人役で横田栄司が出ていたりと、「?」と思うキャスティングも気になる。韓国勢の2人はとても良いし日本語も上手だったものの、終盤の決定的な伏線回収のセリフの処理など演出が謎。絶対に聞き取れないといけないセリフを後ろ向きで言わせるな!!

竹内涼真が無意味に尻を出したり、藤原竜也が半裸になったりっていう演出も、いる……?そういうのいいから、もうちょっと尺を伸ばしてストーリーの抜けを補ってほしかったなあ。

まあでも、冒頭のアクションだけでチケット代の下は取れたと思うのでOKです!ただ、ポスターデザインはもうちょっと考えて。せっかく本気のアクション映画なのに、このビジュアルじゃ伝わらないよね。
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