kazu1961

Girl/ガールのkazu1961のレビュー・感想・評価

Girl/ガール(2018年製作の映画)
4.3
▪️Title : 「Girl ガール」
Original Title :「Girl」
▪️Release Date:2016/07/05
▪️Production Country: ベルギー
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-154
▪️My Review
トランスジェンダーの心の痛みが、ストレートにかつリアルに観るものの目に飛び込んできます。これは本当の衝撃作ですね。。。
私はLGBT系の作品はあまり得意ではないのですが、本作は全く抵抗なく画面に目を奪われるほどに共感を誘われました。映像そして音楽は美しく優美さに溢れてる一方で、心揺さぶるほど力強い作品で衝撃的です!!
本作は、映画は第71回カンヌ国際映画祭ある視点部門で披露され、ルーカス・ドン監督が新人監督賞にあたるカメラ・ドールと、LGBTをテーマにした作品に贈られるクィア・パルムを受賞しました。本作には基づいた事実があり、本作の着想となったのは、ベルギー出身のトランス女性ダンサーであり、本作の製作過程にも関わったノラ・モンスクールなんですね。
内容は、トランスジェンダーの主人公が、バレリーナを目指して葛藤や苦悩を乗り越えながら夢を追いかける姿を描いています。
そして、一番の見どころは、ジェンダーを超えた美を見事に魅せてくれた、主人公ララを演じるビクトール・ポルスター。ポルスターのエレガンスは性別の概念を超越しています。ほんと美しいです。初の映画出演でシスジェンダーでありながらララの繊細な表情や思春期の心の機微を見事に表現し、カンヌ国際映画祭・ある視点部門で最優秀演技賞を受賞。バレエシーンでは圧倒的なパフォーマンスを見せています。
そして、脚本も素晴らしく、前半は静かに優美さに溢れる映像、リズムでポルスターの美を描写しながら、終盤には一転、この静かな映画は恐ろしい苦痛と絶望の場所へ向かっていきます。
夢に向かって刹那的に今を生きるララと今にも壊れてしまいそうな娘を必死に支える父。交錯した2人との想いがたどりつくエモーショナルなクライマックスが激しく心を揺さぶり、そしてその先に待つ光輝くラストに感動すら覚えます。
思春期の葛藤の先にある父と娘の美しき絆の物語、最高のトランスジェンダーの思春期を描いた作品です!!

▪️Overview
トランスジェンダーの主人公が、バレリーナを目指して葛藤や苦悩を乗り越えながら夢を追いかける姿を描いたドラマ。男性の体にうまれたトランスジェンダーのララは、バレリーナになることが夢で、強い意志と才能、そして血がにじむような努力で、難関とされるバレエ学校への入学を認められる。しかし、成長とともに変わっていく体によってうまく踊れなくなることへの焦りや、ララに対するクラスメイトの嫉妬や嫌がらせにより、次第に心身ともに追い込まれていく。2018年・第71回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、これが長編デビュー作のルーカス・ドン監督がカメラドール(新人監督賞)、主演のビクトール・ポルスターが最優秀俳優賞を受賞した。(引用:映画.com)
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