ギズモX

米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯のギズモXのレビュー・感想・評価

4.2
坂本龍一氏が亡くなられたことを受けて鑑賞。
戦後の沖縄で米軍の圧政に立ち向かった議員、瀬長亀次郎氏の功績に迫るドキュメンタリー映画第二弾。

坂本龍一氏が手がけた音楽が心に残る。
特に素晴らしいのが本作のテーマソング"Gui"
初めて聴いた時は
「本当にドキュメンタリー映画のテーマソングなのか」
と思えるほどに旋律が美しくて、とても感銘を受けてました。
圧政の中でも力強く根を伸ばし続ける緑豊かな沖縄の大地。
そんな優しくかつパワフルなイメージが湧いてきます。

https://youtu.be/TX2aK9tuxIk

前作はカメジローの精神を通して今の沖縄問題を考える作風だったのに対して、本作は彼自身の生涯に迫っており、主に終戦直後から沖縄返還までの闘争の道のりをこってりと描いています。
劇中では米軍基地などの沖縄問題の最前線ではなく、学校や公園、住宅街だったりとなんら変哲もない場所が写ったり、そこで人々がカメジローを語ることが多かったのが印象的。
のどかな場所にも大切なものが宿っていることを教えてくれているみたいだった。

たまにどうしたらいいんだろうと迷う時があるけれど、そんな時は瀬長亀次郎氏のこの言葉を思い出していきたい。
とても励まされる作品だ。

「苦しい時はよく方向を見失う。
 突然暗がりに投げ込まれると、
 その瞬間、何物も見えなくなるが、
 しばらく、じっと腰を据えていれば、
 次第に心眼は開かれ、
 必ず突破口を見つけることができる」
ギズモX

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