悲しい。でも悲しければ悲しいだけどうしても笑ってしまう。
涙しながら、嗚咽しながらも笑い続けてしまう。
アーサーが理不尽な自分の生い立ちに向き合う時、現実を知った時、自分が尊敬するコメディアンのマレーに言われた「ジョーカー」と変貌する。
悲しいけれど、悪に目覚めた彼にとっては、それまでと違い、楽しく、そしてキラキラした世界に見えた。人を殺すこと、だからと言って誰でもということではない。自分に対して偏見なく純粋に心配してくれた仲間に対して殺しはしない。その分別はまだあるんだ。
色んな人に裏切られたアーサーの人生。
初めてジョーカーとしてメイクをして階段を踊りながら降りていくシーン、そして護送されるパトカーから反射する街のネオンとジョーカーが美しく、なにより、アーサーの穏やかな表情が切なくて悲しくて感じた。
助け出されたアーサーは本当の意味でジョーカーとして生きて行くことになるんだなぁ。
