フィンランドのメタル愛溢れる超傑作！タイトルが面白そうだったので借りてみた程度だったが、とてつもなく面白い！最初から最後までゲラゲラ笑えたし、何故か胸が一杯になって涙まで出てきた。泣いて笑えるなんて最高じゃねぇか。
「モイ！(こんにちは)」という挨拶が聞こえた時点でフィンランド映画という事に気付くのは難くない。
※余談だが、別れの言葉は「モイモイ！(さようなら)」である。もう覚えましたね？
でも、フィンランドって何があるの？と言えばあまり思い付かない。気温が低そうとか、ムーミンだったり、エイラ・イルマタル・ユーティライネンだったり、各々少し思い付く事があるだろう。
では、本作を鑑賞するのに必要なフィンランドに関する知識とは？それは、"メタルといえば北欧。北欧といえばメタル。"である。メタルに明るくない方は、この程度の事前知識さえあれば存分に楽しめる。北欧では日本のようなアングラな音楽ではなく、ポピュラーミュージックとしての地位を確立しているので、主人公達はイカれた音楽を唐突に始めたわけではないという点には留意してほしい。
みんなで意見を出しあってバンド名を決めるのは本当にあるあるネタで、なかなか決まらないものだ。彼らが提示するバンド名のセンスも下品で苛烈だが、口にした言葉の響きはカッコ良いだろう？それがメタルなのだ！例えるならば「崩れ行く新造建築物(アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン)」というバンド名は意味不明だが、最高にカッコいいじゃないか。
当然コメディ映画だからストーリーは馬鹿馬鹿しい展開だし、ありえない事の連続。でも僕は最後、気付けば立ち上がって右拳を天に突き上げていた。大きな声で叫んでいた。この映画を観た人達は、彼らの頑張りを応援してきたのだから、ついついライヴに参加できてしまうのだろう。一緒に声を出して、拳を突き上げて、頭を振ろう。文句を言ってくる奴には、この映画を渡しゃいいのさ。バンドをやってても、やってなくても楽しめるバンド題材映画。
