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コード211のbackpackerのレビュー・感想・評価

コード211(2018年製作の映画)
2.0
俳優、ニコラス・ケイジ(以下、ニコケイ)。
イタリア系の父とドイツ系の母の間に生まれ、叔父さんは大監督のフランシス・フォード・コッポラという、芸術家一族コッポラ家の一人にして、言わずと知れたハリウッドスターです(本名ニコラス・キム・コッポラ)。

そんなニコケイですが、個人的な感覚では、1990年代後半、具体的には『リービング・ラスベガス』でアル中と娼婦の究極の愛を演じきり、アカデミー賞主演男優賞を受賞した1995年以降から、『ロード・オブ・ウォー』の2005年までが、華の大スター時代と認識しています。
(絶頂期の作品は?と問われれば、やはり1997年の『フェイス・オフ』ですかね。)
以降は2010年のディズニー映画『魔法使いの弟子』や、2011年の出演作品全てがラジー賞にノミネートされるという珍事態からもわかるように、堰を切ったようにキャリアダウンの一途を辿ります。ラジー賞よ常連さんです。

その代わりに、出演作品の増加傾向が如実になり、2018〜19年には、年間7〜8作品出演という状態になりました。

さて、ニコケイのいちファンとしては、量産される近年の作品もしっかりカバーしたいところ。
ということで、導入が長くなりましたが、手始めに本作『コード211』を鑑賞してみました。


……うん!つまらん!
捻りもなければ山もない、素晴らしい単調さです。
冒頭、アフガニスタンに見立てた砂採掘場から物語は始まります。
これは、本作の悪役(アフガニスタンで傭兵をしていた男達)がなぜアメリカの田舎街の銀行を襲撃することになったのかの理由付けのための導入部分なのですが……、まぁ、薄っぺらですよね。
その後、父娘の確執とか、いじめられっ子の高校生とか、ドラマ要素は色々と盛り込まれます。
盛り込まれますが……全て深彫されることなく、終了。
銀行に立て籠もった襲撃者達とのドンパチも、アクションとして不出来。
せっかく銀行の支店長にもスポットを当ててたのに、なんにも活用しないことの勿体なさも残念。
そもそも、主役のニコケイの活躍が地味すぎるというところからして残念極まりないので、他がどれほど酷かろうが、どうってことはないわけですが。


特筆すべきことが無さすぎて、ニコケイの基本情報を書くくらいしかありませんでした。
もしどうしょうもなく暇で、90分以内に収まるニコケイ映画が見たい方がいらっしゃいましたら、こちらも選択肢の一つにしてください。


【私的ニコラス・ケイジ年表】
ーーキャリアハイ期ーー
1995年:『リービング・ラスベガス』
1996年:『ザ・ロック』
1997年:『コン・エアー』『フェイス・オフ』(最盛期)
ーー玉石混合期ーー
2000年:『天使のくれた時間』
2002年:『アダプテーション』
2004年:『ナショナル・トレジャー』
2006年:『ウィッカーマン』(ラジー賞ノミネート)
ーーキャリア低迷期ーー
2007年:『ゴーストライダー』(ラジー賞ノミネート)
2010年:『魔法使いの弟子』
2011年:『デビルクエスト』等(当年全出演作ラジー賞ノミネートの偉業を達成)
2016年:『俺の獲物はビンラディン』
ーー俺ジナル・マイウェイ期ーー
2018年:『マンディ地獄のロード・ウォリアー』『トゥ・ヘル』
2019年:『カラー・アウト・オブ・スペース -遭遇-』
2020年:『アース・フォール JIU JITSU』
2021年:『ウィリーズ・ワンダーランド』
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