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十二人の死にたい子どもたちのkuuのレビュー・感想・評価

2.5
『十二人の死にたい子どもたち』
映倫区分G.
製作年2019年。上映時間118分。

『天地明察』(個人的にスキな時代小説)をかいとる作家・冲方丁が初めて現代を舞台に描いたミステリー小説を書いた小説を『イニシエーション・ラブ』とかの堤幸彦監督が映画化。
小説家が得意ジャンル以外を書くのは難しいんかな。
今作品の原作者の現代小説なんか書かずに歴史小説で行けよー。
関係ないですが作家・馳星周(不夜城の原作者)は時代小説なんか書かず現代ハードボイルドで。
ちなみに馳星周の時代小説『比ぶ者なき』は小生の御先祖さんを描いてるが浅い。
話は今作品に戻り、
なんでも今作品の発案は10年以上前で、『自殺サイト』を知ったことが執筆のきっかけになったそうで、タイトルは米国ドラマ『12人の怒れる男』からきているそうですベタやなぁ。

閉鎖された病院を舞台に、それぞれの理由で安楽死をするため集まった12人のガキどもが、そこにいるはずがない13人目の少年の死体を見つけたことから始まる犯人捜しと、その過程で少年少女たちの死にたい理由が徐々に明らかになっていくことで、変化していく人間関係や心理を描いた作品す。

本作品は『人の命』ってテーマで重く大切なんを扱っている。
ニュース番組で時折いじめを苦に自殺した子の報道で聴いたりする。
己の命を断つとちゅう事は凄く勇気が必要で、よっぽど覚悟のいる事だと思う。
完結あるいは未遂でも行動した人達は実は誰よりも強いのかもしれへん。
せやからこそ小生は生き続けてほしいと思う。
今作品で集まった12人のガキどもが『自分は何で死にたいと考えてるんか』ちゅうのを告白しあって、それに対して、互いに
その理由に対して、物申したくなってしまうちゅうところは、笑っちゃ不謹慎ながら笑っちまう理由もあった。
もちのろん、そないなことで死ぬなよとは思ううけど。
自死を求める方が述べる理由って、一つじゃない。
色んなネガティブな出来事があり、だめ押しネガティブ要素でそれに向かう。
作中、マジにそんなんで死ぬのは単なる知識不足やって引き留めたくなるようなものもあるし、そりゃ死にたくなるやろって理由もある。
まあ他人は所詮他人。
そないな理由って、いずれも本人にとはすっごく切実なモンやし、にもかかわらず、ニュースなど見る他人からすると(小生も時折)そんなことで死なないでもええのにって思っちまう。
今作品のように、似たような境遇の人々が集い、お互いをカバーしあいながら助けあえば生きる事に希望がもてるのかもしれへん。
そないな取り組みも実際にグループワークやらで成果をあげてきてる。
今の現状が辛いのならESCAPE(逃げる)と書けば語弊があるが、一旦その場から退場してみるのも、決して悪くない。
なんて飛躍出来た作品でした。
でも、妄想、空想をひろげれても映画として佳作と云えるかってのは別の話で、出演の杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜、等の今を煌めく人気若手俳優がそろうのにしては味気ないかな。
演劇でやれば多少よかったのかと思いますが、映画作品になるとどうしてもしらこさ(わざとらしい)が目につきました。
俳優推しで観るのなら全然問題ないレベルかな。
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