ゆりな

プライベート・ウォーのゆりなのレビュー・感想・評価

プライベート・ウォー(2018年製作の映画)
3.8
冒頭、5分。
戦争映画(正確に言うと戦争ジャーナリストの映画)なのに、映像が明るくてゲームのような綺麗さが、またリアルで悲痛だ。
前評判、掻い摘んで「何度も戦地に訪れる変わった人」と聞いていたのに、とんでもなかった!メリーは強いどころか、ちょっと内気なひとりの女性だった。

こちらはフィクションだから一緒にしてはいけないのだけど「24」と同じ緊張感が終始漂う。
孤独な戦いの映画と思いきや、カメラマンのポール・コンロイとの絆も良い。

このひとつ前に観ていた「マダム・イン・ニューヨーク」に続いて、言語の通じないことの怖さよ。前半もまぁ辛いけれど、後半はもっと辛い。
大人だけではなく、負傷した子どもがどんどん病院で運ばれてくるシーンはノンフィクションのようなリアリティ。悲しくて涙が出る。

個人的には主演のロザムンド・パイクも素敵だったけれど、ポール役のジェイミー・ドーナンの演技がよかった。
初登場時は戦地を少し舐めたような小物感あったのにさ。ラストは最早、主人公よ。

2019年にもこんな素敵で意義のある映画があるのに、ロシアのウクライナ軍事侵攻が未だ続いていることも胸が痛い。(まさに速報見てたら、今日もジャーナリストの方が亡くなっていた)

マシュー・ハイネマン監督、過去作品も戦争ドキュメンタリーなのでその道のプロかと思ったら、まだ38歳!?制作にシャーリーズ・セロンの名前があったけれど監督のインタビュー見ると、あまり影響してない?というのが少し残念。
今のご時世だからこそ、より多くの人に届いて欲しい作品。
ゆりな

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