【FLASH ACT】
「男」にとって父とは打倒される存在であり、父へコンプレックスを抱き乗り越える事で男は成長する ~ エディプスコンプレックス(精神的父殺し)―その精神深淵の彷徨いを、宇宙深淵へと等価させたSFの糖衣纏いし心理/真理認識のドラマ。
〈追記 NEPTUNE ― SPACE COWBOY THE SEQUEL〉
イーストウッド「スペースカウボーイ」異形の嫡子。
宇宙へ行き帰還しないリージョーンズ。偉大なる世代。魂の継承。ドナルドサザーランド。核兵器。『父と見たモノクロ映画』は「スペースカウボーイ」冒頭モノクロームシークエンス喚起させ、10数年の消息不明設定は両作品公開スパンとの符合仄めかす。猿との闘争が両作共通である事は最早言うまでもあるまい。
「スペースカウボーイ」がハワードホークスへの献辞 ー 即ち『映画(監督)についての映画』であった様に、本作も直栽的に映画に言及する ― そう、ニコラス“フラッシュアクト”ブラザーズだ。
フラッシュアクト=はっきりと表現する ~ 終始情感を抑えていたロイ(ブラピ)は、旅の最期に自身の感情を ―想いを― “明確に表出”する事だろう。
感情/想いの表出。アクト/アクター。演技/表現者。
成る程、本作もまた『映画(俳優)についての(敬意溢れる)映画』なのだ。
両作共、ヴェネチア国際出品作である。
《劇場観賞》