ぐっさん

麻雀放浪記2020のぐっさんのレビュー・感想・評価

麻雀放浪記2020(2019年製作の映画)
3.5
2019/4/5札幌シネマフロンティアにて鑑賞。
 まず、先に言っておきます。私は麻雀のルールをよく知りません。ですが、ここ最近とあるゲームソフトのミニゲームとして麻雀が出ているのでじわっとプレイをするだけで、基礎はわかっていてもどの役が強いのか?どのタイミングでロン・チー・カンをすればいいのかもよくわかってません。

 じゃあ、なぜこの作品を観たのかと割合で説明させてもらうと10割中
8割が白石監督作品が好きだから
1割がめちゃくちゃな2020年設定が好きだから
1割がベッキーが出てるから

 なんてったって主人公の坊や哲(ボーヤテツ)が1945年のとある麻雀対局中に第三次??対戦で東京???ピックが中止になった2020年の世界にタイムスリップさせられて憲法改正や、マイナンバー制度、共謀罪など現代日本が抱えた問題の行き着く先がこれというような日本になり平和ボケでたるんでいる日本に驚きいろいろな人との出会いによってかつぎ上げられ、???ピックに代わって開催される麻雀大会に参加させられてしまう物語。

 久々に観終わった後の第一印象は
「なんじゃこりゃ」
って言えるほどのストーリーでした。

 ただし、フィクションではあるけどもなんとなくこの数年の日本を見て、あぁ~間違った方向になってしまうとこんな世界になりそうだなぁ~とも思えるような世界観の設定でもあるし、タイムスリップして何も知らない中、主人公のもっとこうしようぜという心意気の行動にも共感できるシーンもありました。
 まさに、ポスターにも書いてあるように「ボーっと生きてんじゃねえよ!ニッポン」と言えるような作品でしたねぇ。

 主人公坊や哲を演じたサンシャイン斎藤こと斎藤工さん。さすがでした。
 幸薄そうな主人公でまわりの人からどんどん、かつぎ上げられる20歳の設定がめちゃくちゃな賭博師なんだけど執念は曲げない主人公像がいい。
 主人公の師匠ともいえるであろうママと2020年ではAIユキを演じたベッキー。いつものベッキーもありぃーの大人のエロいベッキーもありぃーの一皮むけた作品になったんじゃないかと思うので注目してもらいたい。
 ヒロインのドテ子を演じるのは姉妹ユニット「チャラン・ポ・ランタン」のボーカル、ももさん。ドテ子の設定はぶっ飛んでるけど純粋で素直なとこがいい。ももさんの体を張った演技ハンパねぇ。
 ドテ子のプロデューサーの社長「クソ丸」は竹中直人さん。ハッキリ言ってバラエティーに出ているときの竹中さんそのまんまです(笑)

 そして、監督は「弧狼の血」の白石和彌監督。
 昭和テイストの暴力と音楽、そしてエロの表現が大好きです。今回もそれらが生かされており未来なんだけどなんか昭和を残した感覚にさせてくれるのが好きなんですよ。
 もうキスシーンとかラブシーンとかエロイエロイ。哲とドテ子とのシーンやママとのシーンはエロイエロイのでご注目。

 まぁとにかくいろいろありましたが、構想10年原作の勢いだけを引き継ぎ、今の日本に麻雀と通して問いかけるぶっ飛び満載感詰め込んだ独特なエンターテイメント物語。
 原作を知らなくても、麻雀を知らなくても、見て損はなしの作品と言えるのではないのでしょうか。
ぐっさん

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