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ブラ! ブラ! ブラ! 胸いっぱいの愛を/ブラ物語のNMのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルやポスターの想像を良い意味で大きく裏切ってくる作品。
最初渋い作品なのかと思ったら意外とコメディ、最後はなぜだかかなり満足感。
壮大なストーリーでもよくある日常でもない。
色彩も美しくずっと良い雰囲気で、人物にセリフがなく落ち着いてる。もちろん何をしているかはかえってわかりやすい。
エンディングといい、なんだか大人向け絵本でも観たような感覚。


とある電車の運転士は引退間近。
毎日淡々と仕事をこなし、雲海の出る山の上にある小さな石造りの家で静かに一人暮らしをしている。
山の途中に暮らす女性と結婚したいようで家に挨拶に行ったが、母親の反対に合い破断になってしまった。

彼の運転する路線は狭い町中をぎりぎりで走り抜けている。人々は線路上を庭のように使い、電車が来たときだけさっと避けている。
さしてスピードも落とさないのでそのエリアを運転する時はかなり神経を使う。

電車には洗濯物やら子どものボールやらがよく引っかかったままになり、運転手の彼は仕事が終わった帰りに時々持ち主に返しに行く。
ある日ブラジャーが引っかかっているのを見つけた。そういえばあの夜電車の窓から見えた美しい下着の後ろ姿。あの女性のものに違いない。

引退の日。翌日からは特にすることもなかった。
町へ行き、ブラの持ち主を探して片っ端から家を訪ねて回った。

もちろんドアを叩いて下着を見せればただの変態だと思われたり旦那に浮気相手だと思われたりして大変。
そこで他の下着店で他のブラをいくつか買い、行商のふりをして自転車に乗せて歩いた。
すると女性のほうから笑顔で寄ってきてくれるように。
それもまた大変でトラブル連続。
ついに男たちに終われリンチに合い、彼は線路に鎖で繋がれてしまう。しかし運良く電車の下の隙間をすり抜け無事。
助けようとしてくれた孤児の少年と手を取り合った。

その帰り道。なんとブラジャーとおそろいのパンティーが干してあるのを見つけた。
彼は家を尋ねず、そのまま洗濯ロープのパンティーの隣に干して帰っていった。
意外な持ち主は不思議に思ったが嬉しそうだった。

男は少年と二人で第二の人生を始めた。
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