きょう

靴ひものきょうのレビュー・感想・評価

靴ひも(2018年製作の映画)
4.1
発達障害があるガディは母親の死によって、父親のルーベンと約30年ぶりに暮らすことになる。明るく人なつこい性格のガディだが、決められた生活習慣を頑なに守ろうとする一面も併せ持っていた。長い間息子と疎遠だったルーベンはガディへの接し方が分からず最初は困り果てていたが、父子は少しずつ打ち解けていく。


父母が離婚をし、主人公のガディは長い間母親と暮らしていました。
しかし、母親が交通事故で他界。
これからは疎遠になっていた父ルーベンと暮らすことになりました。
最初は長い間2人の間には距離があったため、そして、ガディは障害から自分の中の決まりごとがあったりと、ルーベンは接することに戸惑うばかり。
ガディは明るく人懐っこい性格ですが、父の戸惑う態度に完全に心が開けなかったりと、お互いに苦悩していました。
しかし、段々と共同生活をするうちに2人の間には家族愛が芽生え、お互いに大切だと思える存在に。
障害があるものと向き合うということは簡単なものではないと思います。そこをクリアしていくルーベンは、やはり心のどこかではガディのことを大切なかけがえのない存在だと思っていたからだと思います。
しかし、フラットになっていく2人の関係とともにルーベンは末期の腎不全という重大な病気とも闘っていました。
それを知ったガディは父を助けたく、自身の腎臓をあげたいと…
ルーベンは自身の過去から、ガディからの腎臓提供を拒否しますが、しかし、それはかえってガディを悲しい目に遭わせてしまうことに気づき、受け入れるように。
ガディが障害があるからと臓器提供も簡単に許されず、ガディが泣いて訴える部分は涙なしでは観れなかったです😭
ソーシャルワーカーのイラナの助けもあり、ガディの願いは叶いますが、その先には悲しい結末が…しかし、この結末はガディにとっては本当の成長も意味しているなとも思いました。


「靴ひも」というタイトルだけあり、ストーリーの中で靴ひもを結ぶことでガディの成長をも表しています。
最初は父と暮らすのに外部のサポートを受けようとするために紐を結ばす、2度目はサポートは必要ないと結ぼうとしたが出来ず、最後は悲しみを乗り越え結ぶことが出来ました。
ルーベンとガディの親子でありながら、親友のような関係も印象的でした。
どんな人も1人ではやりきれないこともある、そういう時はサポートを受けるべき、そして、障害のある者も隔てなく成長していけるということを描いている見応えのある作品でした🥹✨
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