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残された者-北の極地-のkuuのレビュー・感想・評価

残された者-北の極地-(2018年製作の映画)
4.0
『残された者 -北の極地-』
原題Arctic.
映倫区分G.
製作年2018年。上映時間97分。

テレビシリーズ『ハンニバル』じゃレクターのサイコパス役で冷血を演じきってたし(作中主人公のID写真がでてくるが、この写真は、実際の若いころのマッツ・ミケルセンで、テレビ番組ハンニバルで若いハンニバルレクターでも使用されたのと同じ写真やそうです)、『007 カジノ・ロワイヤル』(2006年)で主敵のル・シッフル役と、あと『ドクター・ストレンジ』『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』とかハリウッド大作でも活躍するデンマークの人気俳優マッツ・ミケルセンがホンにまぁ味のあるサバイバーの主演を務めてた兎に角演技巧い。
飛行機が墜落し北極にたった1人で取り残された男を描いたサバイバルドラマ。
後半、こちらもハァハァと息があがったし、手に汗握った。

飛行機事故で北極地帯に不時着したパイロットのオボァガードは、壊れた飛行機をシェルター代わりにしながら、白銀の荒野を毎日歩き回り、魚を釣り、救難信号を出すというルーティーンをこなして生き延びていた。
しかし、ようやく救助に来たヘリコプターが強風のために墜落し、女子パイロットが大怪我を負ってしまう。
これまで目の前の確実な“生”を手に入れてきたオボァガードだったが、瀕死の彼女を前に、ついに自らの足で窮地を脱することを決意。
現状の安住を捨て、危険を承知で勇気ある一歩を踏み出すが。。。

今作品は、何て云っても
マッツ・ミケルセンのマッツ・ミケルセンによるマッツ・ミケルセンファンのための映画かな(ちょい云い過ぎでした🙇‍♂️)。
改めて、
殺伐とした絶望感がありながら~の、
同時に感動的で美しい映画ちゅうのは、そうそうあるモンじゃないけど、今作品は、そんな難しくて珍しい組み合わせを見事に実現してました。
エンディングは泣くとこ?って云われたとて、哭きました。

非常にシンプルなストーリーで、基本的なプロットは、今までに無いことはないかな。
マッツ・ミケルセンが演じるのは、北極圏で起きた飛行機事故の唯一の生存者。
彼は飛行機のシェルをその場しのぎのサバイバルキャンプにして、魚を釣っては生で食べ、眠っては起きてを繰り返し。
正直、冒頭はあれ?って思った。
あまりにも唐突な始まり方やったし、ミケルセンが演じているキャラの紹介もなきゃ、彼がいつからこの状況に置かれとんのか説明もなかった。
映画はただ始まり、彼はただそこにいるだけ。
もうちょっと情報が欲しかったけど演技は巧いしそんなことは流せた。
ホンマ、ミケルセンが演じたこのキャラは、物語に引き込んでくれました。実際、刺激的な要素はかなり少ないけど、主人公が生き延びるために戦っている姿がリアルで生々しく、不可能と思われる状況でも生き延びようとする人間の意志を証明してるようで熱く追体験できました。
そして、オーバーガード(ミケルセンの役名)を救出するために派遣されたヘリコプターの墜落事故を起こし、生き残った若い女子。
彼女は重傷を負い、オーバーガードは彼女の看護師兼仲間となり、必死に彼女の命を守ろうとするが、最終的にはこの状況を打開するために取る行動は学ぶとこは沢山ありました。
また、アイスランドで撮影された北極圏の荒涼とした風景は美しく、心を揺さぶるものがあります。
ミケルセンはオーバーガード役を好演してた。
ミケルセンと、アイスランドの女優マリア・テルマとの間には、オーバーガードが救おうとする女子を演じる上での化学変化ちゅう神秘的なものが感じられた。
この物語に影響を与えた他の映画の要素を見ることができんのちゃうかな。
今作品を見ながら、
『アライブ』と『127時間』の両方を思い浮かべました。
他にも、サバイバル系の映画なら何でも思いつくかな。
映画の冒頭がかなり唐突だったように、映画の終わりも唐突だった。
あまりにも唐突な終わり方で、二人のキャラの最終的な運命は。。。
kuu

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