新潟の映画野郎らりほう

クワイエット・プレイス 破られた沈黙の新潟の映画野郎らりほうのレビュー・感想・評価

4.0
【 Extinction Rebellion 】


一作目のメタファーが『強権に対し声上げる事許されぬ弱者達の苛み』と『遂に声(音)を上げる決意をした女性達のムーブメント』であり、“ Silent Majority ” と “ MeToo ”の当時時流の 映画への昇華(暗喩)具合に目を見張った。

無論 続編と為る本作も ’21年今現在の同時代性 ―その寓意― が肝と為るだろう。


無線通信送受信機を駆使し 世界を変える為 ―救う為に― 音を発信し続ける少女の姿に、SNSで意見表面/情報発信し 世界に多大な影響を与えるインフルエンサーであり環境活動家グレータトゥンベリ氏がやはり重なる。

船舶に依る移動や 症候群的因子も それを思わせる。


恐れ慄き身動き出来ぬ大人達を尻目に、問題の最前線に立ってみせるのは立派に自律した少女と少年である。

Sustainability、Extinction Rebellion …… 若者達の活動を頼もしく思うと同時に、我々大人達の不甲斐なさを恥じ より確固深沈せぬばと自戒する。



〈追記〉
二ヶ所或いは三ヶ所の異なる状況をクロスカッティングで繋ぎ 緊張感を高めているが、各々が 呼吸困難であったり 扉の開閉であったりと 関連付けられており感心させられる。
また その異なる場所〃が 繋がる主題は、前述した Sustainability や Extinction Rebellion の様に 『闘っているのは貴方一人ではないんだよ』のメッセージでもあるだろう。




《DVD観賞》