わじ

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密のわじのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

骨太な脚本&豪華俳優陣の演技が光るコメディミステリー映画

続編をやってほしい!というのが見終わった後の率直な感想
ストーリーの巧みさや、ダニエル・クレイグのキャラクター、警察との軽快なやり取り、冒頭の伏線・ヒントを最後にすべて回収してくれる満足度・完成度の高い作品でした

序盤は登場人物も多く、説明トーンで単調になりがちだったので誰が誰だかわからなくなりかけたが、一人ひとりのキャラが立っていて、かつアナ・デ・アルマス演じるマルタの嘘をつけないというくだりの部分が頭を整理するのに一役買っていたように思う

話の途中に真相が明らかになるタイプのミステリーで、今後ブラン探偵がどうやって真実に近づいていくのか…と期待させておきながらクリス・エヴァンスの登場で物語が大きく展開する

「あぁ、キャップにそんな台詞言わせないで…」と笑いをこらえながら、ラストにもっとすごいの浴びせるなんて、これまで良い人役が多かった彼の役者としての成長を願うばかり笑

「Knives out」の文字通り、そして「ドーナツ」という変わった比喩を体現するかのような特徴的な装飾品

そして事件前までは家族同然と言っていた人物たちは、金が絡むと何とか自分達のものにしようと言葉の暴力(ナイフ)を突きつけてくる

タイトルを視覚的に表現させて、ちゃんと社会的なテーマにも落とし込んでいる演出は素晴らしい

「My house,My rule,My coffee」
冒頭のマグカップが、ラストで究極に皮肉的に使われ、高低差で置かれた立場を表現しているカメラカットは最高のエンディングでスカッとする作品でした


個人的には「Knives out」のフォントがめちゃくちゃカッコいいので、何でカタカナ表記にしたんだよ!という憤りがある
わざわざ「Knives」の「v」だけ他のフォントよりも少し先端を尖らせて大きくすることで「ナイフ」の形状を表している(推測)というお洒落なこだわりもあるのに、ほんと日本映画ポスターのブロッコリー問題然り、興行収入を意識しすぎて作品へのリスペクトというか、遊びのある余白(視聴者が自由に考える余韻)みたいなものがないよなあって思いました
わじ

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