エソラゴト

僕たちは希望という名の列車に乗ったのエソラゴトのレビュー・感想・評価

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評判の高さで気にはなっていたもののなかなか予定が合わず諦めていましたが、ル・シネマでアンコール上映していた事もありやっと鑑賞出来ました。日曜日の最終回上映にも関わらずほぼ満席ー。評価の高さを目の当たりにした次第です。


物語の時代背景や内容からも一見重苦しさを感じてしまいがちですが、少年少女達の青春ストーリーであり群像劇である側面も描かれているのでそこまでの堅苦しさ息苦しさを感じることなく、最後まで彼等の言動や動向に見入ってしまいました。

最初は自分達の素直で純粋な気持ちを表現しただけなのに自分達の将来や家族関係にも多大な影響を及ぼす事態を招くとは彼等も思ってもみなかったことでしょう…。

この行動で自分達が置かれている政治的状況や親達の知られざる過去を知る事になり、それぞれが自分自身の判断や決断力を試される事で一人の人間として成長していくストーリー展開には胸が熱くなりました。

とはいえ、彼等もそれぞれの家庭環境など何らかの個人的理由によって必ずしも一致団結していた訳でもなく一枚岩ではなかったという背景も包み隠さずきちんと描かれていて、単なる歴史に埋もれた感動秘話に終わっていないところにも感銘を受けました。

また、ラース・クラウメ監督の前作『アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男』も観てみたくなりました。