あなぐらむ

スノー・ロワイヤルのあなぐらむのレビュー・感想・評価

スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)
3.7
小屋で予告見た時にこれは乗れないかなとスルーした一本で、後にムービープラスで鑑賞。ハンス・ペテル・モランド監督のノルウェー映画のセルフ・リメイクとの事。ちゃんとそう言う風に宣伝してよ。

実際には毒と笑いの利いたもう一つの「ウインド・リバー」だった。なめてた除雪業の親父が殺人マシーンでした、というリーアム・ニーソン晩年の定石通りの仕上がりなのだが、脚本がシニカルでとてもダイアログが活きていて、リーアム・ニーソンも子を喪った怒りを抑えた演技で応えている。ウィリアム・フォーサイスも良い。ローラ・ダーンって割と出てると外れないよね。

観てて思ったんだけど、黒人もまたネイティブを差別するんですよ。黒人の命は大事だけどインディオを笑う。居留区にいるからとエスキモーと呼ぶ。その全部を平坦にしたうえで、悪い事をしたら法で取り締まるのが本来の法治国家ですよ。声が大きい方が勝ちってのは人治主義。

ギャング抗争になっちゃうのは自業自得というか、観たあとはそんなに嫌な気分にならないのは抑制ができてるからだろうね。