2020/5/26
序盤こそ、鹿野ななのキャラクターに眉を顰めたけれど、気付けば小坂れいと同じように彼女のことが気になっていた。何だかんだとじゃれ合う二人が微笑ましく、笑えるシーンもちらほらと。が、中盤までのコミカルさから一転、彼のあの日を境にただただ泣き続けることに。終盤は終わりそうで終わらないものの、その後の日々が紡がれる度にその全てが必要だったと思える。そして、並行して描かれる八千代くんと撫子ちゃん、きゃぴ子と地味子のエピソードも良い感じ。特に前者は、撫子ちゃんの話言葉が気になりつつも、好きな人に「好き」と伝えらえる幸せを再確認。八千代くんの回想シーンもウルっときた。普段は苦手なはずの「殺す」「死ね」、そんな暴言さえも本作では愛おしい。未来についての話は、小坂から鹿野に受け継がれ、どんどん広がっていく。
